推理小説とカテゴリしたらよいのか分からないくらい、推理よりも群集劇の様相が強い。
そしてすごいのが、各人物がそれぞれ特徴的でたくさんの登場人物でも混乱が生じない。更に特徴的といっても誇張されているとかではなく、あくまでも「こういう人いそう…」と思わせる自然なもの。
宮部みゆき、すごいなー---、改めて感じた。
以下、あらすじ。
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柴田よしき 「所轄刑事・麻生龍太郎」 2007年 新潮社
突然、山内錬というキャラのことを思い出し、以前、そのキャラが出てくる小説を順に読もうと思いつつ読んでいなかったのを思い出して
山内錬に関連深い麻生龍太郎の第一作をまず読もうと思い立った。
久し振りの柴田よしき。
記憶にあった通り読みやすい。
が、話としてはちょっと微妙な感じだった。
短編の為か、各事件はそんなに大した事件ではないのに
麻生龍太郎の問題(人を本当に愛せないとか)を大きく取り上げられ過ぎていて
物語とキャラクターの深さが釣り合っていない気がした。
なんとなく麻生龍太郎が中二病っぽく見えてしまうというか…
以下、各章のあらすじ(ネタバレあり!)
Tatiana De Rosnay "Sarah's Key", 2007, St.Martin's Griffin
紀伊国屋の洋書セールで買ったものの、ずっと積読本になっていた本書。友達が面白いと言っていたし、映画化もされた本だったので期待はしていたのだが、
なんとなく読まず仕舞いで、やっとこさ読んだ。
話はナチス占領下のフランスで起きた、ユダヤ人大量検挙事件、
決して明るくはない。
しかし、これがこのようなテーマで適切な表現か分からないけれども
ミステリーっぽく、謎を解き明かしていくような構成だったので
落ち込むような内容であってもぐいぐい読めた。
何よりも、パリでそのようなことがあったことは知らなかったので
(ドイツに占領されていたのは知っていたので、よく考えたら想像できたものの)
そういう意味では読んで良かったと思った本だった。
構成としては、過去と現在が交差するのだが、
正直、現在の話が割とどうでも良いというか、「アメリカ人…」という感じだったので
読了後に「すごく良かった!」と満足するものではなかった。
以下、あらすじ;