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がらくたにっき |

宮部みゆき『ソロモンの偽証 第I部 事件(下)』





上巻に続き面白かったー--
推理小説とカテゴリしたらよいのか分からないくらい、推理よりも群集劇の様相が強い。
そしてすごいのが、各人物がそれぞれ特徴的でたくさんの登場人物でも混乱が生じない。更に特徴的といっても誇張されているとかではなく、あくまでも「こういう人いそう…」と思わせる自然なもの。
宮部みゆき、すごいなー---、改めて感じた。

以下、あらすじ。

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表紙の絵が非常に好き

著者 : 乾石智子
東京創元社
発売日 : 2011-04-29

乾石智子 「夜の写本師」 2011年 東京創元社


シリーズ2作しか読んでなくて、続きを読みたくなったので読み直し。
前回は読む順番を間違えてしまって評価が高くなかったのは覚えているものの、まったく話を忘れていた。
期待値が低いまま読んだせいか、今回はめちゃくちゃ面白かった!

本がキーとなり、前世の記憶を呼び起こしたり、そもそも魔力自体が本を介在にするなど、本好きにはたまらない設定だと思う。
写本の描写も細かいのが良い。
表紙の絵としては西洋のイメージだったけれども、今回はどちらかというトルコとか中東のイメージだった。よく読むと服装も中東っぽいし。
詰めの甘さは多少感じられるけれども(フィンはいったい何だったのか、とか)、一作目と考えると許容できる範囲かと。
久しぶりのファンタジーなのかもしれないけれども面白かったな。

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自分の無知がよく分かった本


ハンナ・アーレント 「イェルサレムのアイヒマン」 大久保和郎・訳 1969年 みすず書房



雑誌で紹介されていた本で、この前にナチスをテーマにした本を読んだので、続きのような気持ちで読んだが…
多分、紹介されていたのは新訳版で、図書館にあったのはこの古い訳しかなく
めちゃくちゃ読みにくかったーーーーーー
ナチスに関する知識が本当に乏しい私にとっては元から難しい本だったと思うけれど
この訳の難しさが、読みにくさに拍車をかけていた。
例えば、ナチがナツィになっていたり、ノルウェイがノールウェイになってたり…細かいけれども、そういうちょっとしたところの積み重ねが読みにくくしてる!

読み始めてしばらくしてから「解説」を読んで、本書の立ち位置的なものを把握してからは、少ーーーしばかり読みやすくなった気がした。
「解説」より。本書が連載当初から批判にさらされており、主に3つの論点で批判されていた。
まず1つ目。ナチ時代にナチに批判的だったドイツ人側からの抗議としては、ドイツ人すべては同罪とする著者の見方、特に反ヒットラー抵抗運動の人々への著者の冷たい否定的な評価に対して。
2つ目はユダヤ人からで、ユダヤ人自体が自民族の破壊に協力した、という著者の断定に対して。
3つ目も同じくユダヤ人からで、アイヒマンの描かれ方に対して。アイヒマンは果たして一介の下僚にすぎず、小心な平凡な人だった、という描き方に対してである。
この3つが分かったことで、いくぶんか、著者の主張が分かった気がして、そういう意味で文章を理解しやすくなったなと。
あくまでも、少ーーーしばかりですがね。

因みに著者のアーレント氏もユダヤ人であので、2つ目の論点についてはまったくの部外者からの批判という形にはならない。

何はともあれ、完全に理解できていないがゆえに、きちんとまとめられないので、自分にとって重要と思った部分を抜き出してみる。
完全なる引用ではなく、読みやすいように改行・漢字を変更しているのであしからず…

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麻生はおじさんのイメージだったのに若かった

柴田よしき 「所轄刑事・麻生龍太郎」 2007年 新潮社

突然、山内錬というキャラのことを思い出し、
以前、そのキャラが出てくる小説を順に読もうと思いつつ読んでいなかったのを思い出して
山内錬に関連深い麻生龍太郎の第一作をまず読もうと思い立った。

久し振りの柴田よしき。
記憶にあった通り読みやすい。
が、話としてはちょっと微妙な感じだった。
短編の為か、各事件はそんなに大した事件ではないのに
麻生龍太郎の問題(人を本当に愛せないとか)を大きく取り上げられ過ぎていて
物語とキャラクターの深さが釣り合っていない気がした。
なんとなく麻生龍太郎が中二病っぽく見えてしまうというか…

以下、各章のあらすじ(ネタバレあり!)

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タイトルに名前が出ているのに、最初の方で女の子の名前が伏せられている意味がよく分からなかった

Tatiana De Rosnay "Sarah's Key", 2007, St.Martin's Griffin


紀伊国屋の洋書セールで買ったものの、ずっと積読本になっていた本書。
友達が面白いと言っていたし、映画化もされた本だったので期待はしていたのだが、
なんとなく読まず仕舞いで、やっとこさ読んだ。

話はナチス占領下のフランスで起きた、ユダヤ人大量検挙事件、
ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件がベースになっているので、
決して明るくはない。
しかし、これがこのようなテーマで適切な表現か分からないけれども
ミステリーっぽく、謎を解き明かしていくような構成だったので
落ち込むような内容であってもぐいぐい読めた。

何よりも、パリでそのようなことがあったことは知らなかったので
(ドイツに占領されていたのは知っていたので、よく考えたら想像できたものの)
そういう意味では読んで良かったと思った本だった。

構成としては、過去と現在が交差するのだが、
正直、現在の話が割とどうでも良いというか、「アメリカ人…」という感じだったので
読了後に「すごく良かった!」と満足するものではなかった。

以下、あらすじ;

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