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がらくたにっき |

日向理恵子『火狩りの王』

KADOKAWA
発売日 : 2022-11-22

本屋さんでぶらぶらしている時に、十二国記シリーズの挿絵と同じ絵の本を見つけ、そちらもファンタジーと知ったからには気になって読んでみた。
完全にジャケ読み。

当たり前ながら十二国記とは全然違う話だったけれども、とっても面白かった!!!
割と一気に読み終えてしまった。

まるっきり異世界というわけではなさそうで、地球のかなりの未来という風にも読める。
物語は始まったばかりでどうなるのか分からないけれども、簡単に第1巻目のあらすじは以下の通り。

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トミ・アディェミ『オリシャ戦記 PART2 美徳と復讐の子』

うーーーーーーん…正直、登場人物の誰にも共感できないかなという感じ。
既刊本はこれで終わりで、確実に次があるけれども、読むかと言われるととても微妙。。。
前回に続き、各3人の登場人物の目線で描かれているのだけれども、どの人にも共感できないという、ある意味とても珍しい感じ。

一番意味不明だったのはイナン。
考えていること・言ってることとやってることが全然違って、イナンの目線で書かれている箇所を読んでもさっぱり意味が解らなかった。

魔法を持つ者と持たざる者の対立、というプロット自体は面白い気はするけれども、いかんせん登場人物たちの描写が浅すぎる。
迫害された人たちの悲しみを書きたいのかもしれないけれども、”両親や仲間たちが殺されて悲しい”というありきたりな表面的な感情しか表されていなくて、そこから成されるはずの人格形成ができていない気がした。
批判を恐れずに言うと、ナイジェリアの伝説をもとにしたファンタジーと、今まであまりない題材で、しかもブラックライブスマターをはじめとした人種差別への是正意識が沸き上がっている今だからこそ受けた本であって、そういった背景を見ずに、純粋に物語として見たら、そんな面白い本か?という気持ちになっちゃう。

と辛口に感想を述べてしまいましたが、一応、簡単なあらすじを・・・

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トミ・アディェミ『オリシャ戦記 血と骨の子』


「Bookmark」というフリーの本紹介冊子で紹介されていた本書。
黒人のファンタジーということで、確かに珍しいなと思って手に取った。

読んでみての正直な感想は、今のご時世で黒人のファンタジーということで受けたのかな…と思ってしまった。
かなり厳しい感想だけれども。
決して面白くないわけではないけれども、突出した感じはないかな…

登場人物の描写もなんだか浅い気がする。
確かにそれぞれ抱えているものがあるのは分かるけれども、割とそれらがありきたりな感じがした。
物語の視点がころころ変わるせいか、余計に一人一人の心情描写が深堀されていない気もする。

あと、図書館で借りた時には児童書のセクションにあったけれども、これは果たして児童書なのだろうか…?という描写も結構あった。
まぁ知っている人が読んだら「?」と思う程度なのかもしれないけど。

と文句ばかり書いたけれども、別に面白くないわけではないので、そこは悪しからず。
ただ期待値を高くしない方がいいかなという本だった。

以下、簡単にあらすじを。

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解説に「前作読まなくても…」とあるが、絶対必要だよ!

著者 : 乾石智子
東京創元社
発売日 : 2012-04-21
読む順番を間違えたのかもしれないけれども、あっさりとしたファンタジー

乾石智子 「魔道師の月」 2012年 東京創元社



「夜の写本師」に続き、長い時を経て再読。
前回は、こちらを先に読んでしまったので、世界に入り込めずひどい低評価だったのだけれども、再読してみたら、めっちゃ面白かった。
本当、順番通りに読まなかった自分が悪いのに低評価ってどないやねん!?と過去の自分を叱りたい。

あらすじは過去の記事に記載している通りだけれども、補足すると「夜の写本師」で活躍するキアルスが主人公の内の1人。
彼がずっと若く、ギデスディン魔法を完成させていない時の話で、「夜の写本師」で主人公カリュドゥがたどった本の中の世界にて、アンジストと戦って負けた、あの事件の後っぽい…

またタペストリーの中は、更にキアルスより前の時代の話で、コンスル帝国が攻め落とした部族が主人公となっている。
同じ民族の中で部族同士が戦い、更にそこにコンスル帝国という大帝国が存在感を増してきたところから、部族が一致団結をするが…という話。
このタペストリーの中の話が面白くて、それだけでも良かったんではないかとも思った。
ちょっとコンスル帝国がローマ帝国っぽかったのも、面白かった要素。貨幣を持ち込むところとか、結構面白い。

あと、前回のざっくりしたあらすじに書かなかった重要なこと。
最後に<暗樹>を取り込むことになるのだが、これを取り込んだのが自分に闇を持たない大地の魔道師レイサンダー。闇を持たずに魔道師として未熟、と見なされていたというのが強調されていたように、持たなかったからこそのこの結末と言えるだろう。
ここが重要ポイントなのに、あっさりと見過ごしていた過去の私…

どうやら過去の私は、重厚なファンタジーを所望していてみたいだけれども、今の私はこの軽さがちょうどいいかな~と。
再読すると色々面白いですな。

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表紙の山本真澄さんの絵が可愛い


朝井まかて 『雲上雲下』 2018年 徳間書店



確か、雑誌で紹介されていて、朝井まかては好きな作家さんなので”読みたい本”に登録。
数年越しで読んだのだが、正直、うーーーーーーーん…という感じ。そんなにたくさん読んだわけではないけれど、初めて朝井まかての本で面白くなかったという感想を抱いた本になってしまった。

民話的な話が続くので、正直、タルい…という感じ。作品自体が悪いというよりも、自分の読みたいものと大きくずれてしまったのかなーという感じもしないでもない。

簡単なあらすじとしては、あるところに草があって、そこに子狐が迷い込む。
寝る時にはいつも母親に話をしてもらったと言ってせがむので、草(子狐は草どんと呼ぶ)にお話をせがむ。
こうして、いくつか草どんは物語をつむぐのだ。そこに山姥が現れたり、物語の主人公たる者が現れたりする。
最後の最後になって、草どんの話になる。
草どん自体、記憶がまったくなくなってしまったが、やっと思い出したのが、その昔、天上にて神々に物語を話す福耳彦命であった。ずっと地上で語られる物語に耳を傾け、それを収集して神々に披露していたのだが、ある時をきっかけに傲慢になってしまい、地上で語られる物語に耳を傾けなくなってしまう。
そして気付いた時には、神々の姿も、天上に住む者の姿も見えなくなってしまう。福耳彦命が地上に耳を傾けない内に、地上では神々の存在を信じなくなり、物語も語られなくなってしまっていたのであった…

最後のオチもちょっと凡庸な気がした。
人間が物語を語らなくなったとか、神々の存在を認識しなくなったとか、ちょっとありきたりかなと…
最後の最後に、母親が子供に「狐の嫁入り」の話をし出して、ちょっと希望が見えるような終わり方なのも安直かな…
文句が多くなってしまったけれども、期待していた分のがっかりということで。

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