なんとなく思いついて読んでみた。
もちろん、ジブリの映画は観ており、しかも何回も見ているので話は分かった気でいたけれども、今更原作とかなり違うことを知った。
そして、なんとなく映画はやっぱり男性が作った作品で、原作の方は女性が作った作品だなぁと感じた。
具体的にどこがと言われると難しいけれども、例えば、キキがオソノさん以外で初めて受ける宅急便の依頼。
依頼人が映画ではデザイナーをやっているきれいな女性で、キキの憧れとなるのだけれども、原作ではお針子さんで憧れの人とは程遠い。
なんとなく、きれいな女性が出てきて少女の憧れになるっていうのは、男性的発想だなと思ってしまった。女性の作品でないとは言い切れないけれども、なんとなく女の子ってああいうきれいですっとした女性に即憧れ…とならない気がする。
むしろ、美人であってももう少し親しみがあって、”お姉さん”みたいな存在の府が憧れ対象になる気がしたり。
あと、原作の方にはキキとお友達になる同年代の子が出てくるけれども、映画にはそのシーンがない(最後のエンドロールで女の子と仲良くなるっぽいシーンが出てくるけれど)。
映画ではトンボやウルスラと仲良くなるだけだけれども、やっぱり女性目線でいうと、同年代の女の子の友達ができないのはちょっと不自然かな、と思ったり。
不自然というか、映画の環境だとキキがちょっとかわいそう…と思った。そういう意味で、原作者はキキに同年代の女の子のお友達を作ってあげたような気がする。
映画しか見ていなかった時にはまったく気づかなかったことだけれども、今回原作を読んでみて初めて抱いた感想だった。
もちろんどっちがいいという話ではないし、ジェンダーに凝り固まった話をしたいわけではない。
なんとなくそうだな~と思った感想です。
以下、簡単なあらすじ
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冒険物語を構想している時に参考にしたくて再読。
何度読んでもやっっぱり面白い!
話自体も面白いし、なによりも薮内正幸氏のリアルに寄った絵も最高にマッチしている気がする。
これがかわいらしい感じだったら、この硬派な冒険物語にそぐわなかった気がする。
ということで、アニメもあるみたいだけれども、画像を見た途端に慌てて閉じました…
以前もここで書いたことがあるので、簡単にヒーローズジャーニーに割り振って見てみたいと思う。
ヒーローズジャーニーは一般的に
- (事件が起こる)
- 天命
- 旅の始まり…仲間が現れる
- 境界線…旅が続けられないほどの障害
- メンターが待っている…旅を応援する援助者が現れる
- 悪魔…最大の試練
- 変容
- 課題完了
- 帰還
らしいが、『冒険者たち』も当てはまっている(だから面白いんだろうけれど)。
①(事件が起こる)
主人公のガンバ目線ではないが、夢見が島にイタチ一族のノロイがやってきて、ネズミたちが次々と殺されるという事件が発生。
そこから命からがらやってきた忠太がガンバたちの前に現れ助けを求める。
②天命
”ノロイ”という名前を聞いて腰がひけるネズミたちをしり目に、何も知らないガンバは一人、忠太を助けに行こうと立ちあがる。
冒険もしたことがない町のネズミ、ガンバが旅に出るということで、読者の期待が一気に高まる。
③旅の始まり
忠太とガンバだけで船に乗ったつもりが、次々と仲間たちが姿を現わす。
ガンバの心意気に惹かれてやってきた仲間たち(よく分からずやってきたネズミもいるが)。
一匹ずつ出てくる感じが、舞台で登場人物たち一人一人にスポットライトを当てて出てくるみたいで、「仲間感」「わくわく感」に繋がってくる。
登場人物の紹介みたいな役割を果たすので、皆の特性を活かしながら進んでいく冒険物語にマッチする。
④境界線
無事に島に着き、高倉に隠れるネズミたちに出会う(忠太の知り合い)。
ところが高倉から出て欲しくないネズミたちによって、冒険の続行を阻止されるが、そこから脱出。
⑤メンターが待っている
どんぴしゃなメンターではないが…
忠太の家族を助けにやってきたのに、隠れ家に着くといなくてイタチの毛がある。
がっかりする一行に、忠太の姉、潮路が現れ、実は別の場所に隠れていることを告げ、一緒に行く。
ガンバに仲間が多く、経験者である彼らがメンター的な役割を担うことが多いためか、はっきりしたメンターの役割となるキャラクターが登場することはない。
⑥悪魔
ノロイとの対決。
ここの場面がとても長い。
1回の対決ではなく、数回にわたり、都度、仲間たちの特性を活かした戦い方になる。
(ノロイの催眠効果のある歌をバスとテノールで打ち破る、同じく催眠効果のあるダンスをバレットが対抗する、など)
そして最大の戦いが最後に控えており、今までの戦いをはるかに超えるくらいの試練となる。
そこに、物語前半で知り合ったオオミズナギドリの助けによって(ガンバとイダテンが助けを呼びに行った)助かる。
このシーンがものすごく生きるのが、最大の戦いの壮絶さが丁寧に描かれ、「海の中でもうだめだ…」の状態になっているところを、空から助けがやってくるから。
低いところで絶望しているところを、高いところから最強が来る、というのがめちゃくちゃこのシーンを盛り上げている。
⑧課題完了
ノロイ一族を倒し、島に戻る。
(⑦と⑧が逆転している気がする…)
⑦変容
はっきりとガンバの成長が、課題完了とともに描かれる。
潮路を亡くし、仲間も2人亡くすことで、町のネズミから大きな脱却をしていることが描かれている。
⑨帰還
帰還といっても、元の町の快適な食品庫には戻らないガンバ(変容しまくったため)。
島を離れ、別の旅へと向かう。
見事な踏襲!
そしてこの1~9の強弱をつけることで、物語がダイナミックに、ワクワク感が増している気がした。
 | ヴィレッジブックス 発売日 : 2010-03-20 |
下巻は一気に読み終わった秘密結社ベネディクト団。
最後に割と大きなオチがあって、最後の最後まで面白かった。
ちょっと残念だったのが、登場人物の子供たちの魅力が、今一つ伝わってこなかったことかなと…
それぞれ個性はあるけれども、お互いが必要不可欠具合がいまいちなような…
主人公のレイニーが抜群すぎるというのもあるのかもしれない。
もちろん、スティッキーの記憶力のすごさや、ケイトの運動能力のはんぱなさ、コンスタンスの最終的な能力があってこそではあるけれども、レイニーの総合力がすごすぎて、他の三人はレイニーの計画を遂行するのに必要なオプション、というイメージになってしまった。
もっとレイニーにとっての心の支えというか、4人(もしくは3人)の間でもっと色濃い友情が芽生えてもよかったんじゃないかなーと思った。
ということで簡単なあらすじ。
 | ヴィレッジブックス 発売日 : 2010-03-20 |
なんでだか「読みたい本」リストに入っていた本。
メモを見ると、「シャーロットのおくりもの」や「スチュアート・リトル」を書いた人、と書いてあった。
「シャーロットのおくりもの」は子供の頃に大すきだったアニメで、「スチュアート・リトル」も映画観たな…と思ってメモっておいたのかなと推測。
本書の感想はというと、今のところはまあまあかな…
まだすごく面白いというわけではない。
簡単なあらすじは以下の通り。
河合隼雄の児童文学についての本を読むのにあたって、紹介されていた本を読むシリーズ。
今回は「思い出のマーニー」。
実は随分昔に読んだことがあったので(
上・
下)、今回は英語で読んでみた。
完全な洋書というより、講談社が出しているものなので、後ろにNotesもあって分かりにくい文書の和訳があったので楽ちんだった。
それにしても結構、話を忘れていた!そのおかげか、二回楽しめた。
何度読んでも感動できるのは嬉しいこと。名作だなとつくづく感じた。
因みに前回の自分の感想を読んでみたら、なんと浅いことよ!(笑)
母がその後に読んで、これは無意識の話に違いない!とえらく感動していたのだが、今回読んでみて「これを言っているのかな」と思った。
(以下から軽くネタバレ)