カイ・マイヤー 「鏡のなかの迷宮 ガラスの言葉」 遠山明子・訳 2004年 あすなろ書房
遂に最終巻の「鏡のなかの迷宮」。 残念ながら最後は失速した感じ、少々だれてしまった。 もしくは翻訳の悪いところが出たのかもしれない。 文章の違和感を感じてしまって、あまり引き込まれなかった。 同時進行で、ぐいぐい引き込まれる本を読んでしまっていたというのもあるかもしれないが… とはいえ、終わり方としては文句ない終わり方で、 ハッピーエンドではないが、納得のいく終わり方だったと思う。 以下、あらすじ;
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カイ・マイヤー 「鏡のなかの迷宮2 光る石」 遠山明子・訳 2003年 あすなろ書房
なぜか3部作のうち、2作目だけいつも使う図書館になく、 延滞しまくっている身では取り寄せることもできず、 やっと手に入った本書(やっと返したともいう)。 1作目を忘れてしまった気がしたので、1作目も借りて復習してから臨む。 児童書で人魚とかスフィンクスとかファンタジックな生き物が出てくるのに、 かわいいとか美しいとかがいっさいない。 主人公のジェニパなんて眼に鏡仕込まれて気持ち悪いし、 人魚なんて、鮫の歯が生えた口裂け女だし。 本書は地獄に行くので、さらにグロテスクなのが出てくる。 個人的にこれが最高だと思っている。 異形のものが出てくるなんて最高。 あらすじは以下の通り;
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カイ・マイヤー 「鏡のなかの迷宮 1 水の女王」 遠山明子・訳 2003年 あすなろ書房
ヴェネツィア旅行するのに、ヴェネツィアが舞台になった本ということで読む。 ヴェネツィアが舞台、といっても、この世界のヴェネツィアではなく、 別世界のヴェネツィア、というファンタジーとなっている。 この世界では人魚が普通にいるし、 ヴェネツィアの旗にもなっている翼をつけたライオンが、実体としている。 タイトルが示す通り、「鏡」がキーワードとなっていて 鏡が映す別世界が、今後のテーマになっているのかと思われる。 夜、ヴェネツィアの運河に映る家が、よく見ると光が灯っている家が違う、というシーンは かの地を思うとありそうな感じで、素敵な絵画を見ているような感じがしてよかった。 以下、あらすじ;
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Chris Colfer "The Land of Stories - the Wishing Spell", 2012, Little, Brown and Company
ある時、紀伊国屋をぶらぶらしていたら、洋書コーナーのポップに“アメリカドラマgleeのカート役をつとめるChris Colferの処女作”と書いてあるのを発見! gleeのカートといえば、一番のお気に入りの役者! 条件反射的に買いそうになったのを、『いやまてまて。カートが書いたわけではなく、カート役をしていた俳優が書いたわけで。あんまり面白くなかったら、カートの印象が悪くなったりと二次災害がはんばないぞ』と思い止まったのだった。 が、後日妹にその話をしたら、同じくカートファンの彼女に“買うべき!”と大きく背中を押され、いつの間にか“まぁ、駄作でもカートなら許せるよね~”とすっかり“カートが書いた本”となって、意気揚々と紀伊国屋に引き返したのであった。 読んだ結果。 心配も杞憂に終わりました。 よかった~~~! 児童書ということで、かなり単純な話しであるし、しかも表紙の絵から分かる通り、おとぎ話の世界に入りこんでしまうという、割とありふれた題材だったのだが、なかなか面白かった。 主人公である双子AlexとConnerの父親が亡くなった、という設定がカートを彷彿させたけれども、カート云々がなくても楽しめた本ではないかと。 特に際立ったのがセリフ回し。 やはり俳優という職業柄、言葉に敏感なのかもしれないけれども、AlexとConnerの台詞が今風にテンポがよく(特にConner)、アメリカドラマを見ているよう。 例えばジャンプしてながらしゃべるところは;“We fell. From. Somewhere. Up here. There's. Got. To be. A way. Back"(p83)
という工夫があったり。 シンデレラの階段を上るシーンがまた面白くて、Alexが“Can you believe that's the very spot Cinderella left her glass slipper?"と言えば、“Absolutely ... I wouldn't have climbed these steps again if I had left my shoe, either"(p176)というやり取りが、アメリカのホームコメディを見ている気分にさせられる。 ライトなタッチでおとぎ話が下敷きになっていて、となんとなくShrekを彷彿させ、それでいて子どもたちがしっかり現代っ子で、アメリカンドラマみたい、というなかなか読みごたえのある作品だった。 ざくっとあらすじを書くと。
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