綾辻行人 「Another」 平成21年 角川書店
久しぶりの綾辻行人。
図書館に行ったら“今日返ってきた本”コーナーにどんっとあったので、映画化もされている今、普通に本棚にあるのも珍しい!と思ってさっそく借りてみた。
さすがの筆力というのか、わりと太い本なのにぐいぐい読めて、2日で読んでしまった。
ちなみに外出先でも気になってしまって(でも単行本だったので持っていけなかった)、空き時間に本屋さんで続きを立ち読みしてしまった…
何はともあれ、何が面白かったってホラーなのに推理小説っぽいところ。
あとがきにもあるが
“THE OTHER”や“THE OTHERS”(注:二つとも綾辻氏が愛してやまないホラー映画)がそうであると僕が感じているように、『Another』は一方で、ある種のミステリ的な企てに満ちた「謎物語」でもある。(p676)
とあり、ミステリ的手法が(謎を強調させたり、解を明確にさせたり)あちこちちりばめられている。この律義さが、さすが推理小説家の大御所だなぁ~と思わせられた。
散々面白かったと書いておいてなんだけど、でも実はちょっと物申したいところがあって、でもそれは物語の筋に触ってしまうので、まずはあらすじをば。
(ネタばれがあるので注意!)
小池真理子 「墓地を見おろす家」 平成5年 角川書店
これまた納涼!と題したホラー小説交換会でゲットしたもの。
夏に読んだ方が楽しかったであろうに、寒い秋に、しかもヨーロッパで、となるとあまり臨場感がなかった。
というか、今更だけどホラー映画は大変怖いけど、小説は全然平気なのよね~私。
ということでまったく怖くなかったです。
格安のマンションを購入した加納家は、幼稚園に通う娘が一人いる3人家族。
そのマンションはそこそこ都心なのに、大変安いし環境もいい。ただ問題なのはマンションの下には墓地が続く。しかも焼き場付き。
次々の奇怪なことが起き、続けざまに住人が引っ越していってしまって、最後には加納家とあと一家族、それと管理人夫婦だけになってしまった。
次々と起こる怪奇現象に、残りの一家族も音を上げ、とうとう引っ越してしまう。
引越しの日には霊の邪魔が入ったりするのだが、その家族はなんとか出て行けた。
一方加納家は、家を探し続けるのだが、やっと見つけたと思ったらそこが火事にあったり、そこの住人が急死したり、と家が決まらない。
とうとう管理人夫婦も一足先に引っ越してしまった。
ようやっと引越しの日になったら、完全に閉じ込められて…というお話。
最後のオチとしては(めっちゃネタばれです)