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がらくたにっき |

ドストエフスキー『悪霊1』

1をとっくの昔に読んだものの、なんとなく手付かずのまま、すっかり1の内容を忘れ…
そしてこのブログにも残っていないので、思い起こすこともできず。
ということで再読した。

久しぶりのロシア文学のわちゃわちゃ感。
特に事件があるわけではなく、様々な変わった人たちが出てきて、わーわーなっている感。
あ~好きだな…と思いつつ、これをブログで簡単にあらすじ残すって難しいな、と8年前の自分の同情した。

が、未来の自分のために頑張って書く!

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Category : 小説:古典
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『新編 日本古典文学全集39・住吉物語 とりかへばや物語』

『とりかえばや物語」を読みたくて手に取った本書。ということで『とりかえばや物語』しか読んでません。
男と女が入れ替わって生活するという、平安時代からこんな面白いプロットがあるんだなと知って、興味を持って読んでみたのだけれども、想像していたよりもはるかに深い話だった!

人物造形があまり練られていないという評もあるみたいだけれども、ジェンダーについてこうも考えられる物語があったということに本当に驚いた。
そしてそれが平安時代に書かれていたとは!

もちろん、平安時代と現代では感覚が異なるだろうから、現代のコンテキストで読んではいけないとは思うけれども、それでも作者の意図みたいなものが見え隠れする気がする。
『ざ・ちぇんじ!』が『とりかえばや物語』を下敷きにしていると知って、漫画版をちょっと読んでみたけれども、あまりに軽くて(少女漫画だから、それはそれで成立するんだろうけど)、私が感じた『とりかえばや物語』のイメージと違っていて、最初の方で読むの止めてしまった。

以下、簡単なあらすじ;

Category : 小説:古典
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名前を覚えきれない

保坂弘司 「大鏡 全現代語訳」 1981年 講談社




読書会の課題本。
平安時代が好きなので楽しみにしていたのに、仕事が終わらず欠席してしまった。
残念だった…

ずっと読みたいと思っていた「大鏡」を、やっと読むことができ、その機会をもらったとしておこう。
そして、私の愛読書、田辺聖子さんの「小倉百人一首」に出てくる話が多かったのが発見だった。

物語は、お寺の説法に聞きに来た老人が知り合いと出くわす。
二人とも自分の歳を忘れるくらいのご高齢で、古馴染みに出会ったのを機に昔話に花が咲く。
それが道長の栄華についてなのだが、それに辿り着く前に、歴代の天皇についてや、藤原氏のこれまでなどが語られる。
これを観客が聞いている、という態で、大鏡の書き手もその群集の一人ということになっている。

正直、最後の藤原道長の栄華についてはあまり面白くない。
最初の帝記も非常~に退屈だが、それが終わっての第2章からが面白い。

安倍清明は出てくるし、藤原佐理が出てくるし、政治の駆け引きとかがとりあえず面白い。
色々と田辺聖子さんの「小倉百人一首」と突きあわせたいところが出てきたり、とわくわくした。

Category : 小説:古典
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ボヴァリー氏があまりに馬鹿すぎる

「世界の文学セレクション36 17 フロベール」 山田欝/山田稔・訳 1994年 中央公論社




ナボコフの文学講義が、その本を読まないとまったく分からない書き方になっていたので、とりあえず「ボヴァリー夫人」を読んでみようと思って手に取った本書。
結局最後まで読み切らずに、ナボコフを読むはめになって、あっさりと結末を言われた…
まぁいいけどね。

本書は3作入っていた;


「ボヴァリー夫人」
いわゆる不倫小説。
話の流れがほぼ「アンナ・カレーリナ」に似ているが、こうも趣が違うのかとびっくりするくらい違う。
ボヴァリー夫人はとにかく俗物的。いくら美人の設定でも醜悪に感じる。

話は突然ボヴァリー氏の子どもの頃の話から始まるので少々面食らった。
非常にダサい少年がなんとか医師になることができ、まずは後家を嫁にもらう(完全にお金目当てだが、結局なかった)。
診療先に非常に美しい娘さんがいて、ちょっとボヴァリー氏の心がときめていたら、それに気付いた妻は結局死んでしまう。

妻の死後、その娘さんをお嫁にもらうのだった。
それがタイトルになっている「ボヴァリー夫人」。
凡庸の旦那に嫌気がさして、2人の男を渡り歩く。
しかも田舎にいときながら、パリの社交界への憧れがはんぱなくて、商人に言われるがままにバンバン物を買う。

最終的には借金まみれでどうしようもなくなって、それでも旦那には言えずに、最後は青酸カリを飲んで死んでしまう。


「三つの物語」
タイトル通り、お話が3つある。どれも宗教色が強い。
まずは「素朴の女」。教養はないが気だてのいいメイドの半生。
彼女のキリスト教がリアル。

二つ目が「聖ジュリヤン伝」。もっと宗教色が濃くなる。
しかしなぜこのジュリヤンが聖人になったのかよく分からなった。
結局、自分の両親まで殺しているのに(事故といえども)…

最後は「ヘロデヤ」。タイトル通り、いわゆるヘロデ王の話。
洗礼者ヨハネの扱いに困っていて、最後にサロメが首を所望してゲットする話。


「紋切型辞書 抄」
これが結構面白かった。本当に辞書なんだけれども、そこに書いてある内容がおかしい。
例えば“アキレウス”のところには“「駿足の」と形容すべし。ホメロスを読んだふりができる(p489)”とあるしまつ。“抄”とあるからには、ちゃんとフルにもあるのだろうか?
ちょっと読んでみたい。

Category : 小説:古典
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オルペウスの死の残酷さにびっくり

オィディウス 「変身物語(下)」 中村善也・訳 1984年 岩波書店




下巻の方が面白い話が多かった気がする。

始めからそうだが、“巻一”“巻二”と分かれているが、実際には巻二は巻一の続き、ということが多い。
巻一の中でも細かく章があるのになぜだろう…
これもよくある形式なのだろうか?

何よりも面白いのが、「嫉妬」とか「噂」とか擬人化されているところだろう。
絵画でもよく擬人化されているから知ってはいたけれども、実際に読んでみると“こういう表現なのか~”と分かって面白かった。
例えば「噂」の描写が

とかく「噂」というのは、真実に虚偽を混ぜることを喜び、はじめはごく小さかったものが、みずからの嘘によって大きくなってゆのだ。(p19)

と、はっきりとした擬人化ではないけれども(例えば上巻に出てくる「嫉妬」はしっかりと登場人物になっている)、書き方が人間っぽく書かれているのが面白い。

今回も目次だけ抜き出す;

Category : 小説:古典
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