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がらくたにっき |

学問において「あれ?」と思うことがいかに重要かを痛感


岡田温司 「マグダラのマリア」 中央公論新社 2005年



通信大学のレポートに”マグダラのマリア”について少々書く必要があったので借りてきた本。
レポートにはあまり使わなかったけれども、非常に興味深い内容だった。
確かに、聖書にはマグダラのマリアが娼婦であるなんてどこにも書かれていないのに、なんで娼婦というイメージがついたのか、というのはよく考えると非常に不思議なことで、それに気付かなかったのが地味に悔しかった。

本書を読んでいくと、西洋の文化において、女性蔑視がいかに根深いのかがよく分かった。フェミニズムが近代において重要な動きであったり、つい最近でいえば「#MeToo」がいかに大きな波紋を呼んだのか、というのは、この根深さを知れば納得しかない。
もちろん、日本をはじめとして他の文化圏でも女性問題はある。しかし日本では天照大神が女性神であったり、歴史上に女性が出てくることは稀にでもある。それに対して、マグダラのマリアが元々あった特権をいかにはく奪されていったかを見れば、それをベースにしたキリスト教、更にそれをベースにしたヨーロッパ文化が、どれだけ根深いのかが想像できる。
正直、イギリスにいた時も、フェミニズムについての女性たちの鋭い口調に、時々へきえきとさせられていたところがあったけれども、これを読んで心の底から納得した。

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God works in mysterious ways


橋爪大三郎、大澤真幸 『ふしぎなキリスト教』 2011年 講談社



蔦屋書店に行った時に平積みされていて、おもしろそうだなと思ってメモしたきり幾歳か。
通信で通っている大学の課題で『ヨーロッパ思想入門』という本を読んで、聖書の物語の意味を知り、深く感銘を受けたところでこの本の存在を思い出した。
そういうわけで何年か越しで読んだんだけれども、うーん…今求めているのはこれじゃなかった…
まぁ面白いことは面白かったけど…
あと、対談というのも”求めてたのとちょっと違う”感を助長させる。もう少し話を掘り下げてほしかったところがあった。

と、若干物足りなさを感じつつも、興味深かったところを抜粋していく;

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「ゲド戦記」は和訳の素晴らしさあってこそ、に激しく同意

宮崎駿 「本へのとびら―岩波少年文庫を語る」 2011年 岩波新書




随分昔に参加した本の交換会で交換した本。
引っ越しに際して見つけ出し読了。

内容はタイトル通り、宮崎駿が岩波少年文庫から選んで紹介している。
自分が読んだ本を勧められると「だよね!」となったが
意外と読んでない本もあって、児童文学とはいえ、読みたくなった。

ところどころ、宮崎駿の思想が書かれていて、
共感できないところもあったけれども、
なるほどな、と思ったところがあったので、以下抜粋;

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「抱腹絶倒」と聞いてあきれる

島地勝彦 「愛すべきあつかましさ」 2010年 小学館




実家に帰った時、読む本がなくて読んだ本。
エピソードでじんとくるとこはあったものの、
元プレイボーイの編集長だからか、非常に男性向けの本で
何となく不愉快なところもあった。

今の日本はへなちょこな男ばかりだからダメなんだ!というのが
大まかな主張なのだが、
日本を作ってるのは男だかかよ、とイラッとする。

これくらい豪快な男を見習え!という話なのだが
下ネタも多いし、白けた気分になる。
更に小難しい単語にわざわざ意味を書いてあるのも
馬鹿にされている感じがしてイラッとした(ここまでくると完全な難癖)。

柴田錬三郎、今東光、開高健、横尾忠則など、実際に交流のあった人の話は
エピソードとしては面白いのもあったが
歴史上の「愛すべきあつかましさ」の人たちの紹介(ピョートル大帝、バルザックなど)となると
もうどうでも良かった。

正直、ただ「こんなエピソードがあるんですよ、ほら愛すべきあつかましさでしょ」と言っているだけなので
”だから何?”という感じで、歴史上人物ともなるとこじつけている感じが更に増し読む気がしなかった。

とかなり辛辣な感想しか抱いていないのだが
実はここで出てきた作家の本はほとんど読んだことがないので読んでみようと思った。

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六年越しの投稿

平田オリザ 「わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か」 2012年 講談社




ブクログで「読みたい」と登録したままになったので読んでみたが、どうも読んだことがある。
でもブクログでは「読了」になっていないし、このブログで検索しても出てこないし…
おかしいな…と思いつつ、ブログの下書で絞り込んだら出てきた!

ということで、せっかく読んだので最後まで読み終えて、続きを書きます。
第三章からが2019/2/5に書いた分。

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