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がらくたにっき |

主人公にああいう幸せを掴んで欲しくないというのは、読者の傲慢さか

野沢尚 「殺し屋シュウ」 平成18年 幻冬舎




今度の本の交換会で、持って行こうと思って再読した「殺し屋シュウ」。
面白かったという印象だったのに、以前の自分のレビューを見てびっくり。大分辛口じゃあないの。

確かに二ール・ケアリーの面白さには劣るよ。でも全然違う話じゃないか!昔の私よ!
境遇が似てるっちゃあ似てる(両親に恵まれず、他人に拾われて暗殺者/探偵に教育されるってところや、文学部に籍をおくところなど)。でも主人公の毛色があまりに違うじゃないか…

ということで前回はニール・ケアリーにだぶらせて(しかもただ表紙が同じってだけで)読んでたから“いまいち”的な感想だったけど、単独で読んだら普通に面白かったので、ぜひとも交換会に持っていこうと思った。

ちなみに私のお気に入りの作品は「シュート・ミー」と「スーサイド・ヒル」で、暗殺者を“人を殺す者”というよりは“死を与える者”という形で描かれているのがユニークだと思った。
自分で死を選ぶけれども“自殺”ではない… あまりにそのエピソードを上手く書いているように感じるのは、野沢尚氏が自殺したということを知っているからか。

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Category : 再読
Posted by nizaco on  | 0 comments  0 trackback
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