荘 魯迅 「上海時空往来」 2010年 平凡社
ゴールデンウィークに上海に行くので、借りてきた本。とはいえ、読み終わったのは上海旅行中だったが…
上海の歴史がざっと書かれており、
ガイドブックなどよりはそれが詳しいので(とはいえ、ものすごく深堀しているわけではない)
上海に行くのに読んでおけば、理解が深まった良い気がする。
日本人向けに書かれた本ではあるものの、ある意味遠慮なく日本人による占領についても書かれているので、そこらへんも考えさせられた。
南京虐殺の人数が実際はもっと少なかった、などと、言われるほど日本はひどくなかったという説もあるが、
真実がどうであれ、被征服者の感情は決して良いものではないので
そこは謙虚に受けとめなくてはいけないと思った。
簡単に中身に触れると;
亀山哲郎 「やってくれるね、ロシア人! 不思議ワールドとのつきあい方」 2009年 日本放送出版協会(NHK出版)
今年の夏休みにロシアに行く予定しているので、その予習をかねてロシア紀行を読んでみた。
本書はNHKのロシア語講座のテキストに連載していた模様。
作者の亀山氏はカメラマンで、ソ連時代から何度かロシアに行っているようだ。
このソ連時代の話もなかなか面白かった。
ロシア人って怖いイメージしかなかったけれども、おしゃべりで、面倒見がよくて、しかもロシア人次第で運も良くなれば悪くなる(例えば同じ場所でも人の気分によって入れたり入れなかったり)なんて面白い。
唯一残念だったのが、カメラマンであるから写真を撮った話がよく出てくるのだが、その写真があんまり載ってないこと。。。想像するしかないけれども、写真見たくてしょうがなくなった。
特に気に入った話はキジ―の話。キジ―に入るのにロシア人だと入場料が安い。船の中で知り合ったロシア人が「ネネツ出身のロシア人だ!ネネツだからロシア語が分からないんだ!」と言い張り、そのほか数人のロシア人まで「そうだ、そうだ!ネネツだ、ネネツに違いない!」と押し通す話が傑作だった。
軽快な文章で読みやすく、ロシアが大変魅力的に感じる本だった。