エビータの顔はマドンナというよりもLady Gaga系のような気がする
マティルデ・サンチェス 「エビータ 写真が語るその生涯」 青木日出夫・訳 1997年 あすなろ書房
図書館で見つけた「エビータ」の本。
たまたまその前に "Don't cry for me Algentina"を聞いていたので、そういえば映画を見たことあるけれども、実際にどんな人だったか知らないな…と思って借りてみた。
私生児だったエバ(とはいえ5人兄弟!)。
実の父親が亡くなった後、援助がなくなったもあって母親は街を出て一人で5人の子どもたちを育てる。
映画の魅力にはまったエバは女優になることを夢みて上京するのだが、そんなに売れない。
エバが成功したのはラジオ番組だった。
ペロン大佐と知り合ったエバは彼の愛人となる。
とは言うもののペロンは一人身だった(妻とは死別)。ペロンも死成人だった。
かっこよかったと記載されているが、私にはさっぱりかっこよく見えず…
ペロンの力が強くなるのを恐れた政府によって逮捕されるのだが、釈放させるために大きな影響を与えたのがエバだった。
ラジオの番組を通して、ペロン釈放の運動を人びとに訴えたのだった。
そんなわけでペロン政権というのはエバなしでは成り立たないものだった。
だからといってエバが前面に出るわけでもなく(大統領立候補の話も出たのだが)、彼女は補佐役に徹していたらしい。
一点、非常に興味深かったのが、エバはアクセサリーでさえ自分のイメージを支える為に使っていたということ。
つまり貧しい地域の教会などに出掛けると、自分が身につけている高価なアクセサリーを献金箱に置く、というパフォーマンスをよくしていたというのだ。
そんな風に、彼女はアルゼンチンの聖母というようなイメージを作り上げる。
33歳で癌で亡くなった、というのもエバ信仰に拍車をかけていたと思う。
本を読む限り、ペロン・エバ政権もこのままでは破綻しそうな感じがしたけれども、33歳という若さで亡くなったのが、変な言い方ではあるけれども、エバをいいイメージのままで維持させている気がする。
そしてアルゼンチンのその後の革命にてエバとチェ・ゲバラが並んで、革命家達のアイコンとなっていたのも興味深い。
ちなみにロイド・ウェバーの「エビータ」の狂言回しはチェ・ゲバラ、ということも本書を読んで初めて知った…
本書はエビータの本質に迫るというよりも、生涯をさらりと復習しているような内容に留まるが、写真がいっぱいで、エビータのざっとした内容を知るにはよかったと思う。
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