土佐の絵師、絵金について調べることがあったので、ついでに小説を読んでみた。
絵金の絵はなかなかインパクトが強いのだが、それを込めたような小説で、特にお色気っぽい部分が存分に強調された小説だった。
内容としては、各章を絵金周辺の人が絵金を描写している形を取っているのが面白かった。
そして、各章にこの物語の根拠になった史実が註釈のようについているのが興味深った。
以下、各章の簡単なあらすじ。
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面白そうな本だなと思っていたら本屋大賞を取り、直木賞まで取り、
そうなると天邪鬼的に読む気が少しなくなった気がしないでもなかったけれども
丁度手に入ったので読むことに。
いや~~~面白かった!割と一気読みだった。
でも、変な言い方になってしまうけれども、こんな読みやすい本で戦争の残酷さ・不条理さを描いたのはすごいと思った。
”少女がかっこよく敵を倒す”みたいな安直な物語ではなく、登場人物がそれぞれ苦悩し、そして女性だから受ける不条理さも書かれていたのが良かった。
文章や構成など、非常に読みやすい本となっているので、今だからこそ広く読まれるべき本ではないかなと思った。
以下、ねたばれ含むあらすじ;
フランツ・カフカ/クリスタ・ヴォルフ 「失踪者/カッサンドラ」 池内紀/中込啓子訳 河出書房新社
美容院で出されたファッション雑誌で紹介されていた「カッサンドラ」。
図書館で借りてきたのはいいけど、難しかった……ちょっと良さがまったく分からないまま、良さどころか全体的によく分からないまま、とりあえず読み終わったという感じ。
一緒に入っている「失踪者」も、なかなかとらえどころのない話だったけれども、意外と面白く読めた。
未完ということを知らなかったので、唐突に終わったことには「え・・・・・」となったけど。
「カッサンドラ」が難しかったのは、いったいいつの話をしているのか分かりにくいところと、トロイ戦争の詳細を知らないことだと思う。
トロイアの王女、カッサンドラが戦争に負け敵方のアガメムノンに連れられ、ギリシャのミュケナイに来ているところから話が始まる。そこから回想したり、現在に戻ったり、回想の中でも時系列がばらばらだったり、「いったいいつの話をしてるんだ!?」ということがしばしば。多分、日本語があまり時制がはっきりした言語じゃないからなのかな…ドイツ語は時制がしっかりしているらしいから問題ないのかな…
あと、本当の意味でカッサンドラが回想しているので、特に説明もなく新しい名前が出てきたりして、「????」が続いたりもする。
更にいうと、割と長いのに章立てがないし、ずーっと息継ぎのない感じの文章なので、これまた置いてけぼりくらった感が半端ない。
ということで難易度がはんぱなく高かった本であった…
以下、あらすじ書くのは難しいので、ちょっとメモ。