柴田よしき 「宙都 第二之書 海から来たりしもの」 2002年 徳間書店
何も考えずに読めるので(しかも前の話を忘れても結構大丈夫なので)さくさく進む「宙都」。
そして読み終わっても、ここに感想を述べることもなく、あらすじを書くこともないってのがこのシリーズ。
今回面白かったのは、十文字が琵琶湖で素っ裸で泳いでいる女性を連れてきたところ。
それを伝令で聞いた珠星が「キーーーー!」となって、同行する三善と蒼星をせきたて早く帰ろうとしているところかね。
やっぱり珠星のところしか覚えてないってのはよっぽどじゃね。
十文字もやもりの珠星のことが好きってのも良い。
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ピーター・シャビエル 「イエスの涙」 2008年 アートヴィレッジ
確かYahoo!の書評で見つけた「イエスの涙」。
キリスト教圏ではタブーとなりそうな題材を使っていると読み、長い間カトリックの学校に行っていた私としては是非とも読んでみたい!と思うようになった。
とミーハー根性が現れているとこから分かる通り、全然敬虔なクリスチャン、というわけではないけれども、長年親しんできただけあって、キリスト教関連の“実は・・・”系に興味があるのだ。
萩 耿介 「松林図屏風」 2008年 日本経済新聞出版社
長谷川等伯の「松林図屏風」が表紙を飾った本書。
「松林図屏風」が好きな私の目を瞬時で奪い、しかも長谷川等伯の生涯を小説化したものと知れば、読んでみたくなるのも道理。
でも本屋で出逢ってからしばらく忘れていたのだが、ただいま「長谷川等伯展」なるものが開催されていて、それを観に行こう!となってから、「あ!」と思い出したのだった。
ということで図書館で予約して、ぎりぎりに回ってきた「松林図屏風」by萩 耿介。
日にちがないので、夜更かしして読み終わったのだが……
柴田よしき 「宙都 第一之書 美しき民の伝説」 2001年 徳間書店
仕事の忙しさにまったく読書が進まなかったこの頃。やっと読み終わったのが“炎都シリーズ”の「宙都」。
今回は1冊では終わらず、現在4巻まで出ている(確か)うちの1冊目らしい。
そのせいかあまり話は進まず、割と薄い内容だった。
京都は相変わらずしっちゃめっちゃかで、香流たちは天狗とともに京都を守っている。
せっかくひっついた真行寺とは行動を共にしておらず、真行寺の方は十文字と一緒にいる。
前作でハワイに流れ着いてしまった美枝と真知は、日本が鎖国してしまったので帰ることもできず、ハワイに住んでいる。
一緒に流された暮間は行方不明となっていたが、実は体が青い鱗におおわれてしまうという奇病にかかってしまって隠れて住んでいる。美枝は知っているが、暮間に頼まれて真知には内緒にしている。
珠星は蒼星と三善と共に行動している。
実はこの三人(というか二匹と一人←天狗をどう数えたら分からないけど)のシーンが一番楽しみだったりする。
何せ珠星がいい!蒼星との漫才が最高ですな!
例えば;
「あたしの頭はあんとのとはデキが違うの。あんた、虎の巣穴に入らないと虎の子供は貰えないよ、っていうことわざ、知ってる?虎穴に入らずんば虎子を得る」
「得ず」
三善が訂正した。
「虎の子供なんてどうして欲しいのさ」(蒼星)
「そんなこと知らないわよ、あたしがつくったことわざじゃないんだから。皮でもはいでパンツでも作るんじゃないの?」(p98)
あーもっと珠星が活躍しないだろうか……
横道にそれてしまったが、本書で抑えるべきところは;
美しき民は女性しかおらず、繁殖のため人間の男を誘惑・拉致し、青い鱗ははやしてがんじがらめにしてしまう。
どうやら美枝は美しき民らしい。
そのため危機管理委員会は美枝を捜している。
飛行機事故のなか、奇跡的に助かった女の子が持っていたクマのぬいぐるみ。邪悪なものが入っているということで破壊されたはずが、よみがえっている。
ってとこかね。
もうちょっと1冊が長くていいなじゃないかな、と思わせるくらい、あまり話が進んでいない1冊でした。