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がらくたにっき |

夕士は本当にこのままアパートで暮らして、社会に適用できるのだろうか

香月日輪 「妖怪アパートの幽雅な日常③」 2004年 講談社




またもや一気読みの「妖怪アパートの幽雅な日常③」。
でもちょっと、3巻になってちょっと強めのメッセージ性とやつに、飽きが出てきた気がする。

 何が「特別」で、何が「普通」なのか。
 ここにいると、その価値観が無限に多様なんだとわかる。(p8)

とか

 本当に尊敬できる大人は少ない。・・・(中略)…
 龍さんや古本屋や詩人や画家は、家庭を持ち、子どもを育てる部類の大人ではないかもしれないが、子どもたちの周りに絶対必要な「大人」だと思う。(p37)

とか、メッセージ性を高めることで、登場人物のすごさ、そのシチュエーションの素晴らしさを伝えているのかもしれないけれども、それが過剰のような気がする。
夕士がそういうコメントを残すたびに、「あ~はいはい」と思ってしまう。
それは素直じゃない私だけかもしれないけど・・・・・・。でも私の中での理想的な本(小説)の読み方というのは、本があからさまにメッセージを提示せずに、読者がそれを読んでいる中で感じる、というものなので、こうも全面的に出されるとなぁ~というのが正直な感想なのだ。

はてさて今回の内容はというと、

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Category : 児童書
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環がなんとなく「炎都」シリーズの珠星に似てきた

柴田よしき 「ドント・ストップ・ザ・ダンス」 2009年 実業之日本社




「花咲」シリーズの新刊が店頭に並んでいるのを見て、さっそく図書館に予約を入れてから、待つこと半年程。
本当に本当に忘れた頃に、やっと自分の番になった。そんなに人気なのね、このシリーズ。なんちゃって。

いつもより太めの上に、短編ではない本書。
正直の感想を述べると、ちょっと間延びをした感じがした。
その上、山内のあのちょろり出の仕方を見ると、「花咲」シリーズのレギュラー登場人物はとりあえず出しとかなくては感がちょっと出てて、ここいらで心機一転、違うスタイルでいってもいいんじゃないかと思う(偉そうじゃな)。
ま 私は山内が好きなので、出る分には文句はないけどね。

今回の話は、幼稚園での問題と探偵業の依頼の調査で、ハナちゃんが東奔西走するお話。

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野火がちょっとハクっぽい

上橋菜穂子 「狐笛のかなた」平成18年 新潮社




“守り人シリーズ”ですっかり魅了された上橋菜穂子さん。
そのシリーズがあまりに好きすぎて、違う作品を読む気がしなかったのだが、もう解禁してよい頃合かなぁと思って、購入した「狐笛のかなた」。

しばらく本棚で眠った末、ちょっとしたおでかけの際に持っていったが最後、家に帰って仕事をしなくてはいけないのに、しかも次の日に向けて早く寝なくちゃいけないのに!!!
一気読みをしてしまった・・・
しかもこの興奮冷めやらぬうちに、とばかり、感想まで書いてるし。

といっても“守り人シリーズ”のように、ドキドキわくわく系ではなかった。
旅するわけでもないので、冒険ってわけでもないし。
そして“守り人シリーズ”よりも物悲しい感じだった。

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いまどきの子どもは“タチ”って知ってるものなの!?

香月日輪 「妖怪アパートの幽雅な日常2」 2004年 講談社




1巻がおもしろくて、会社帰りに図書館に寄ろうかと思ったほどの「妖怪アパートの幽雅な日常」。
結局行くことはできず、週末に行ったのだが、そのまま一気読み。

思うに、読みやすいところと(子どもの本だからね)、面白いのと(妖怪好きだからね)で、仕事が忙しい今日この頃にはぴったりの読み物なんだろう。
ダレン・シャンにはまったのと同じ心境だな。

本書は、1と3のつなぎという印象を受けた。

Category : 児童書
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時々出てくる名前の人が分からなくて困る

住井すゑ 「橋のない川(三)」 昭和56年 新潮社




久しぶりの「橋のない川」。
実は前半部分読んで、しばらくほったらかしにしていたのでちょっとブランクが空いてしまった。
なので前半部分はあんあまり覚えていない……。

ブランクあって読み直すと「なんでこんな面白いのをほったらかしにしてんだろう」と疑問を思ってしまうのだが、それと同時に「なんでこんなに面白いと思うんだろう」と思ってしまう。
明かに心躍るような話では全然ないし、どちらかというと題材的に暗いお話のはずなのに、心魅かれるというか、心捕えて離さないというか。
自分でも謎なのだが、多分、彼らの人生が非常に鮮明に描かれていて、自分では体験できない人生を疑似体験できるだろうか。

なにはともあれ、今回のお話の中心となっているのは、誠太郎の兵役検査と米騒動となっている。

Category : 小説:歴史
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“~”が普通に出てくるのにちょっと抵抗感

香月日輪 「妖怪アパートの幽雅な日常1」 2003年 講談社




書店でぶらりと児童書コーナーにいって眼に着いたのが「妖怪アパートの幽雅な日常シリーズ」。
あまりおどろおどろしくない妖怪だとか幽霊(どちらかというと妖怪のほうが好みだけど)の話が好きなので、さっそく図書館で借りてみた。

児童書というのもあると思うが、面白くて一気読みしてしまった。
いやぁ~ こういう児童書ってわくわくするよな。大人向けの小説ではなかなか“わくわく”はできないから、ある意味“わくわく”は児童書の特権かも、と思わせられた一冊だった。

お話というと、タイトル通り妖怪が溜まっているアパートでの生活模様。

Category : 児童書
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故マイケル・ジャクソンも絶賛していたそうな

オグ・マンディーノ 「この世で一番の奇跡」 菅靖彦・訳 1999年 PHP研究所




先日(といっても2カ月ほど前)、人生初の「読書会」なるものに行ってきて、その時に会主のみならずあと2人ほどが勧めていたオグ・マンディーノ。
実は、というか読書遍歴から見てお分かりの通り、まったく自己啓発本を読まない私。
あんまり読む気がなかったけれども、ま すごい人が勧めるし、というか「読書会」に行った記念でも読んでみようかな、と思って早2ヶ月。
図書館の延滞がものすごいことになってあわてて読んだのが「この世で一番の奇跡」。

んー まずこの本は、“あわてて”読むべき本ではないな。
あと、人生数回目の自己啓発本を読んで気付いたけれども、自己啓発本っていうのは、本人が「読みたい」という意志のもと読まないと、まったく意味を為さないということが分かった。
つまり申し訳ないが、私には心に響きませんでした、はい。
正直、それまでの哲学者や作家など様々なひとの名言を寄せ集めただけって気がしてならなかった。

と書いておきながら断っておくが、本書が駄作だというわけではないので悪しからず。
悩みを抱えている人や、自分の人生に疑問を感じている人が読めば、心が軽くなるような、道しるべになるようなことが書いてある(んだろうなぁと思う)。
ただ、私のようなお気楽な、くらげのごとく毎日のんきに暮らしている者からしたら、豚に真珠状態なのだ。


Category : 自己啓発書
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早く続きを出してくださーい!(できたら最後までまとめて)

柴田よしき 「宙都 第四之書 邪なるものの勝利」 2004年 徳間書店




さくさく読み終えた「宙都 第四之書」。
てか、これで既刊分は終わり!!???奥付みたら2004年じゃん!!
こんな終わり方してから6年も続きが出てないの!!!
てか出る予定があるの!!???????

と“!”と“?”が激しく飛び交う終わり方でした。
いや、終わり方っていっても、これまでの巻と同じ態で終わったから、当然続きます!ってな感じなんですよ。

それはさておき。


珠星は実はもう寿命がきていいころだったりするらしい。
なのに一向に体の衰えがない。しかも今までゲッコ―族が決して持ち得なかった、空間移動ということまでできてしまうことになる。
その空間移動をして美枝の所へ行こうとしたら、雄斗が連れてきた裸の謎の女・アカネと亜空間でぶつかってしまう。
そして二人して飛び立ってみると、戦前のサイパンにたどり着いてしまった。
しかもそのアカネは、青の民が作った精巧なロボットだったのだ。

それから何があったかというと……。
うん。
戦争がいよいよ始まりそうだってとこかね。

本当に始まるぞ……ってところで終わってしまった。
ちなみに三之書の記事で、「三善たちが罠にかかってしまう」と書いたが、実はこっちでした。罠にかかったのは。

あ あと私的に大きな進展だったのは、雄斗も珠星がオスってことを知ってたってところかな。
でもゲッコ―ってところで障害なんだから、オスってのは、それに比べたら大したことじゃないって思っているらしい。よかったね、珠星。
てか二人(一人と一匹?)とも、さっさとお互いの想いを言っちゃいなよね~ じれったいな~

というのが、本書に抱いた感想でした。
どこまでも珠星中心な私。

Category : 小説:SF
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今までで一二を争う適当ブックレビューです

柴田よしき 「宙都 第三之書 風神飛来」 2002年 徳間書店




やはりというかなんというか、次に読み終えたのも“宙都シリーズ”の続き。
実は第四之書も突入しているので、話がごっちゃになってしまっているが、ま、どちらも大した話ではない(なんて失礼な!でもそれがいいのよ)。

美枝が青の民である可能性がますます強くなり、加藤に連れ去られていた真知はその過程で青い鱗だらけの暮間に出会う。加藤は暮間も連れて、危機管理委員会の研究所みたいなところに連れてこられる。
どうやら危機管理委員会は、京都の件があってからできたわけではなく、それ以前より青の民撲滅の為にできたものだったらしい。

香流は、何かと因縁があった巨大な蛾だか蝶と意志の疎通らしきものができるようになって、その背中に乗って飛びまわっている。

三善たち天狗は、神官が依りしろとしているクマのぬいぐるみを持つ少女のコンサートに紛れ込むが、そこでまんまと罠にひっかかってしまう。

と三善、香流と書いて思い出したが、ちょっと面白いなと思ったくだりを抜粋;

「特に必要とは思わないけど、他人の心を読む力なんて。人間がそれを捨てたのは正解だったんじゃないかな」
「どうして?」
「もし心を読む力をそのまま持ち続けていたら、芸術は生まれていなかったと思うんです。心を直接伝えることができないから、人は、文字や音楽や絵画によって、他人に自分の力を伝える努力をするようになった。違います?」
「なるほど」
「だから、山の獣には芸術が必要ないし、天狗さんたちだって自分の楽しみ以外の目的で、文字や音楽、絵画を極めようと葛藤したりしないでしょう?人間は心を伝えられない、感動を他人に分け与えられないもどかしさに苦しんで、それをつきつめていく。…(中略)…他者の心を簡単に読み取ってしまうような能力を持って生まれていたら、どんなに知能が発達しても芸術はその知能から生まれて来ない、そんな気がするんです」(p149-150)


引用したら満足してしまったが、概ねそんなこんなで5巻へと続く。

Category : 小説:SF
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この間BBC Podcastにフレデリック・フォーサイスが出てた♪

Frederick Forsyth "AVENGER" 2003, St.Martin's Paperbooks




これは新宿高島屋で洋書のセールをしていた時に、調子こいてぼかすか買った本のうちの一冊。
久しぶりのFrederick Forsythで"AVENGER"。"AVENGER"自体なんという意味か、今の今までうすぼんやりとしか理解していなかったが、やっぱり(というか読んでいたら当たり前か)「復讐する」という意味でした。

本書は(というか洋書に限っては“も”と言うべきか)、短い通勤時間の中ちびちび読んだため、あまり最初のほうを覚えていない(なんてこった!)
だからといって、最初のほうを読み返しながら書く暇が今ないので、さらりと覚えている範囲で書くと。

ことの発端はボスニア・ヘルツェゴビナの紛争から始まる。
正義感に燃える裕福なアメリカ人青年は、ボランティアをしにボスニア・ヘルツェゴビナへ行く。
ところがそこで冷血なギャング・Zoran Zilicにより、残酷にも殺されてしまう。
問題なのは、ころされた青年は裕福な家計で、祖父は政治家にも通じているということ。
諸国が目をつけているギャング・Zoran Zilicは、彼の祖父の探し人となったのだった。

話変わって、そして時代は遡ってベトナム戦争時。

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