古今亭志ん朝 「志ん朝の落語5 浮きつ沈みつ」 京須偕充・編 2004年 筑摩書房
後は1冊のみを残してしまった“志ん朝の落語”。
読めば読むほど落語を聞きに行きたくなるのだが、いまだに実現せず…
今回のテーマは「浮きつ沈みつ」ということで、今までの“情”を中心にした話とうってかわって、人物の人生(というほど長くはないのもあるけど)が語られていて、それでもやっぱりその裏には人の情というものがあって、となかなか面白かった。
収録されている作品は以下の通り;
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池波正太郎 「剣客商売全集 第二巻」 1992年 新潮社
住んでる所周辺がよく出てきて親近感がわくせいか、着々と読み進めている「剣客商売」。
相変わらず大治郎いいな。
友達が中学生の頃からはまっていると聞いて読み始めたので、割とよく出てくる男女の睦ごとシーンとか、なんだかリアルな衆道のお話とかにはびっくりした。
おませな中学生だったのね。ま、私も中学生の時に「新宿鮫」にはまってたから、あんまり人の事いえないけど。
第二巻に収録されていたのは以下の通り;
誉田哲也 「武士道シックスティーン」 2007年 文芸春秋
映画化になったとかで、本屋の店頭によく並んでいる「武士道シックスティーン」。
なんか女の子が主人公の青春小説っぽいのに“武士道”ってのに興味を持ち、図書館で借りてみた。
話の流れとしては、青春小説のお約束どお~~~り事が運ぶ。
剣道一筋で非常に強く、勝敗にものすごくこだわる少女。そこに現れるライバル。
でもライバルはのほほ~~んとしていて勝ち負けにこだわらないようなタイプ。
ぶつかり合いながらも、挫折し、成長していく。
といった流れになっている。
だから特別新しいわけでもなんでもないし、途中までは“ふぅう~~ん”と思いながら読んでいた。
が。
なんか後半から読むのが止まらずに、本当は単行本だから持ち運びたくないのに外に出かけるのに持っていくことになり、電車で没頭しすぎて涙が出そうになるわ、降り遅れそうになってしまった・・・
池波正太郎 「剣客商売全集 第一巻」 1992年 新潮社
図書館にある“剣客商売”シリーズ、前までは他館から取り寄せての文庫版だったが、自分の通う図書館に単行本があるのを知り、二巻から借りてみた。
したらば、なんだか話が繋がっていないような気がする。
そうして気付いたのが、単行本の方が収録数が多いため、文庫版1巻でカバーしてないものも、単行本1巻ではしていたみたいだということ。
なので早速、単行本の第一巻を借りて来てみた。
以下は、文庫版では収録されていない話;
山本兼一 「利休にたずねよ」 2008年 PHP研究所
本屋さんでたまたま見つけて、面白そうと思って“読みたい本リスト”に追加した本。
図書館で予約待ちしてやっと巡ってきたのに、どうしてもその週に借りに行けず、次に回ってしまい、もう一回予約、ようやく手にした、という本だったりもする。
どうしても同じ時代で、しかも交流のあった人だっということで、前に読んだ長谷川等伯についての話「松林図屏風」と比べてしまうが、それに比べて断然こちらの方が面白かった。
趣向自体がちょっと変わっていて、利休の切腹の日、切腹の直前から話が始まり、そこからどんどん時間が遡っていく構成になっている。
さながら映画の「メメント」みたい。
アイディア自体はそこまで斬新じゃないかもしれないけれども、大体こういった構成となると、視点は変わらずにいるのが主のような気がするが、本書に関しては、色んな人の視点となる。
もちろん利休や秀吉の視点は、何度か出てくるが、時には全く利休がメインとなっていない章もある。
それが話の幅が出来て面白かった。
そして最後の章は、利休の切腹が終わった直後、というのも割と面白かった。
なんとも不思議なことに、利休と秀吉への印象が読み進むうちにどんどん変わっていく。
最初の方は、秀吉はとことん嫌な奴だし、利休も鼻持ちならなくて、どっちもどっちだな、といった印象を受けるが、どんどん二人の印象が良くなる。秀吉は俗物な趣味であっても、その中に王者のセンスが光っていて、人を惹きつけるものがある。利休は温厚な人で、「美」へのセンスは抜群なものであり、それでいて「茶」はとことん個人の安らぎのため、と位置付けている。
“読み進めると”ということは、つまり利休と秀吉の関係が良好な時へと進んでいくと、ということなのだが、「こんなお互いを理解し、尊重しあっていたのになぜ・・・」という気持ちになっていくということは、この構成の成功なんではないかと思った。
もし逆だったら、利休や秀吉の良かった時代が褪せてしまう。
しかもドロドロした雰囲気で終わってしまって後味も悪かったと思う。
と概ね面白かったのだが、一点あまり好きでないところがあった。
その一点に触れる前にあらすじを書くと;
古今亭志ん朝 「志ん朝の落語4 粗忽奇天烈」 京須偕充・編 2003年 筑摩書房
着々と読んでおります、「志ん朝の落語」。
早いものでもう4巻目!
今回は粗忽者が沢山出てきて、笑いをこらえるのが大変だった話もあった。
収録されているのは以下の通り;
伊坂幸太郎 「重力ピエロ」 2003年 新潮社
久しぶりの伊坂幸太郎作品の「重力ピエロ」。
“久しぶり”なんて書いたけど、実はそんなに読んでいない伊坂作品。なんでだろうなー面白いとは思うんだけど、本を選ぶ時にはぱっと思いつかないのだよ……。
それはさておき、「重力ピエロ」はまたまた読書会にて、“家族”がテーマになった時に主催者さんがオススメしていた作品だ。
割とすぐ図書館で借りていたし、読み始めたのだが半分きた時点で、随分時間があいてまた半分を読んだ。
なんでかなー。面白いんだが。
面白いんだが、どうも今回の場合は、主人公の弟とか魅力的っちゃ魅力的なキャラなのだが、彼が発する過激的なセリフが“狙ってる”雰囲気を感じてしまい、後ずさってしまった。
とは言いつつも、最後のほうはちゃんと(?)涙したし、十分面白い本だったと思う。
Agatha Christie "The Hollow" 1946, Fontana Books
いつだったか実家に戻った時に、読む本がなくて、実家の本棚からかっぱらってきたアガサ・クリスティの"The Hollow"。
随分古い本で、どうやら父が若い頃に読んだものみたいだった。
ちょびちょび読んだせいもあるだろうけれども、殺人が起きるまでが長い!
そして犯人当てになるまでも長い!
あまり殺人事件がスポットライトを浴びる感じではなく、どちらかというとキャラ達の動きが焦点にあたっている感じだったった。
さながら映画の"The Gosford Park"みたいだった。というか逆か。映画がアガサ・クリスティの世界みたいだったのか。
アガサ・クリスティは遠い昔、高校の頃に読んだきり、あまり読んだことがなくて、当時としては「本格派」と呼ばれる推理小説が好きなのもあって、アガサ・クリスティのようなまどろっこしい作品は苦手だった。
でも今回読んでみて、イギリスに住んだこともあるというのも大きいと思うが、このゆったりとした感じを楽しめる余裕が出来た気がする。何も推理小説ってのは、“推理”の部分だけをがつがつと追い求めなくてもいいのね、みたいな。
肝心なお話はというと、その性質上、ネタばれを含みそうなので注意!
辻村深月 「子どもたちは夜と遊ぶ 下」 2008年 講談社
息もつかせぬ勢いで進んだ下巻。
読んでる最中は何もかもが上の空の状態だった。こんなに夢中になって読んだのは久しぶりかも。
もうずっと、「浅葱ーーーー!!!!」って感じ。
あーもう我ながら単純で困るけど、こういう暗い過去があって、でもそれを押し殺して生きていて、何かを強く求めているといったキャラに弱い。本当に。
内容が内容だから、どうやって落とすのかが本当に心配だった。
でも結論から言うと、私は満足のいく結末だった。というか、このテがあったか~~って感じ。
ただ終盤がちょっとダレた感があったので、あともうちょいという気がするけれど(超偉そうじゃ)、総合的には本当に面白い本だと思う。
あと、内容には全然関係ないけれども、「冷たい校舎の時は止まる」との辻村深月といい、今回の月子といい、女友達との友達関係が歪んでいる女の子が出てくるけれども、作者に何かがあったのかしらんと思ってしまった。
それはさておき、内容はというと、この先大変なネタばれを含むので注意!!!
辻村深月 「子どもたちは夜と遊ぶ 上」 2008年 講談社
前作2作が面白かったので(正確には「ぼくのメジャースプーン」の方が本書より後っぽいが)、「子どもたちは夜と遊ぶ」を手にとってみた。
「冷たい校舎の時は止まる」と似た雰囲気を感じ、本題に入るまでが割りと長い感じがした。
だからなんとなく、“一体どういう話なんだ!?”と内容自体の把握に時間がかかって(ブックカバーしてたためあらすじ読んでないし)、気が短い自分としてはそこがネックだった。
なので、しばらく読むスピードが遅かったのだが、あることをきっかけにいきなり駆け足となった。
と、ここからネタばれになるかもなので注意。
有川浩 「図書館戦争」 2006年 角川書店
まずはタイトルで目にとめた「図書館戦争」。一体どういう話なのかと手にとってぱらぱら見たら、本当に図書館の“戦争”の話。
う~ん なんとなく気分が乗らなくて読まなかったのだが、それから何度も見る“有川浩”の名前。
読書会に行けば熱烈に薦める人が居るし、mixiの読書好きコミュの書き込みを見ると、やっぱり有川浩の名前があがる。
そうなると気になって、まずは「図書館戦争」の漫画をとってみたけれども、やっぱり話は好みじゃない。
でもでも食わず嫌いはどうよ、と思って本書を取ってみたら……
あ~これは所謂「ラノベ」っていうジャンルの一つなのかね。
別にラノベを否定するつもりは毛頭ないが、個人的見解からいって、ラノベは非常~~~に読みにくいのだ。
もう本当に文字通り“読みにくい”。独特な文法によって成り立っている文章が読みにくくてしょうがない。
そして話もね・・・。そんなラノベを読んだことがない私が抱く印象は以下の通り;
・反権力的
→権力を持つもの=悪者という図式がくっきりと提示されている。
まぁ別にそれでもいいけど、あまりに権力者(悪者)が歪んで描かれすぎていて、
私は正義(主人公側)のほうがひねくれてるんじゃないかと見えてしまう
・単純馬鹿が勝つ
→周りの人たちのほうが、どう考えても魅力的なのに、なぜか単純馬鹿というか、取り得は“明るさのみ”
みたいな奴が、皆に好かれるか、皆に影響を与える。
そりゃあ、明るくて一生懸命な子を見て、周りが成長するってのはありかもしれないけれど、
そういうキャラって今一知性を感じなくて好きになれなく、
そんな好きじゃないキャラに振り回される周りはどうよ!?という個人的嗜好により反感を覚える
・美人だけど口の悪い女が出てくる
→そんな設定に飽きた
別にラノベを他の本と区別してる訳じゃないけど、ラノベって上記のようなものが多い気がして、そしてそういう類の小説は苦手だというわけだ。
今回の「図書館戦争」はまさにそんな類のお話でどうにもこうにも・・・。2日で読む終えたけど、面白いからというよりとりあえず早く終わらせたいという気持ちが大きかったかも。
話の中盤で小学生の男の子で、難しい言葉を使い正論をふりかざす子が出てくる。それを聞いて主人公たちが、しきりに“痒い”と言っているシーンを読んで、「あなた達だって十分痒いよ~~」と心の中で突っ込んでしまった。
それはさておき“図書館戦争”とは
古今亭志ん朝 「志ん朝の落語3 遊び色々」 京須偕充・編 筑摩書房
着々と読み進んでいる「志ん朝の落語」。
短編のようで、でもそこらの短編よりもずっと読み応えがある。きちんとオチがついていて、ということはきちんときれいにまとまっているって訳だら、面白いのも当たり前といえば当たり前だろうけど。
ついでに図書館で志ん朝さんの落語をCD化したのを借りてきて「文七元結」を聞いてみたら、思ったよりゆっくりなしゃべりでびっくりだった。イメージとしてはちゃっちゃと早口でしゃべっていたのだが、よく考えたら語り聞かせるわけだから、これくらいの速度か。
それからお客さんの笑いが入っているわけで、今更ながら「ここが笑うところだったのかー」と思うところがところどころあった。多分、笑いのツボが昔と違うからかもしれないけど、時々「ここで笑うの?」と思うところもあったのだ。
さて本書で収録されているのは;
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