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がらくたにっき |

脳内のジョバンニとカムパネルラは猫


銀河鉄道の夜 角川文庫

宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」 平成8年 角川文庫



これまた東北旅行に行くために読んだ「銀河鉄道の夜」。
正直、子供の頃、宮沢賢治のことがどうも苦手であまり読んでいなった。
ところが今回読んでみてびっくり、宮沢賢治の文章が素敵過ぎる。
そして宮沢賢治が描く世界の美しさ。ファンが多いのも分かる。

文章といい、大人になってから分かった良さなのだろうか…
子供の頃は宮沢賢治の描くファンタジーが子供じみた感じがして(自分も子供だろという感じだが)、あまりいけすかなかったのだ。

読み直せてよかった一冊だった。

以下、各話の覚え書き↓

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読みやすいことは読みやすいけれども…


遠野物語remix 付・遠野物語 (角川ソフィア文庫)

京極夏彦 柳田國男 「遠野物語remix 付・遠野物語」 平成26年 角川文庫



遠野に旅行することになっていたので、本屋でこれを見つけた時に思わず買ってしまった。
京極夏彦なんて本当に何年ぶりだろう…と思いつつ、表紙の柄に魅かれての購入。
そしたら角川文庫がフェアしてたみたいで、ブックカバーもらえてラッキー。

遠野物語を現代語訳にして、かつ順番を入れ替えたのが本書。
入れ替えるってとこが“remix”なのだろう。

正直、がっかりな内容ではあった。
なんというか、ただの現代語訳ではなく、文章が京極夏彦風。
それがわざとらしい感じがしてしょうがなかった。

例えばちょっと長いが引用すると(p30-31)…

…山口という村名は、山への入り口の意なのだ。効率が良いので古くから能く使われる山路であった。
 ところが。
 近年になってこの道は使われなくなってしまった。
  峠を越えようとする者は、山中に到って必ず出遭うのだそうである。
 山人に―――である。
 その道筋には、山男や山女がいるのだ。
 それは恐ろしいものであるらしい。
 …(中略)…いくら恐ろしいからといって、海側に通じる道がなければ暮らしに困る。そこで和山というところに馬次場を設え、境木峠を越えて行く新しい道が作られたのである。
 今はこの道ばかりを使うそうである。
 二里以上迂回することになるから、決して便利な道ではない。  
 それ程までに―――。  
 恐ろしいものなのだろう。


ひぃ~背中がかゆくなる~
因みにこれの元の文章は(p275);

山口村より六角牛の方へ入り路のりも近かりしかど、近年この峠と越ゆる者、山中にて必ず山男山女に出逢ふより、誰も皆恐ろしがりてしだいに往来も稀になれしかば、つひに別の路を境木峠といふ方に開き、和山を馬次場として今はこちらばかりを越ゆるやうになれり。二里以上の迂回なり。

と至ってシンプル。ま、遠野物語は淡々としていてシンプルなのは、研究報告書的なものだからなんでしょうけどね。
それにしてもちょっとやり過ぎ感がある。
高校の時にはこの文体があんなに好きだったのに…大人になったということだろうか。

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