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がらくたにっき |

「名画が語る西洋史」というタイトルの方が良かった気がする

中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇

中野京子 「中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀と歴史篇」 2013年 文藝春秋



「怖い絵」が面白くなかったので、あまり読む気はしなかったが
借りてきている手前、試しに読んでみることにした。

結果、「怖い絵」より大分面白い。
著者の良さが分かったような気がする本だった。

というのが、こちらは絵の題材となった歴史的事実、もしくは歴史的背景、画家についてなど
客観的な内容が題材に、著者の見解も若干入れつつ、絵を紹介している。
それにひきかえ、「怖い絵」では「○○こういうわけで、この本は怖いんです」と
述語が主観的すぎて、納得のいかないところが多かったのだ。

今回は“絵のモチーフの紹介”と割と明確なテーマがあり、
そしてそれは他にもあるようなテーマなので
著者の個性が出やすいのもあったのかもしれない。
例えば、進化論が西洋で受け入れがたかったのに、日本では受け入れやすかった話で

進化論が日本に入ってきたとき、日本人はさりありなんとして驚きも立腹もしなかった。その無反応を訝しく思った欧米人は、日本人がこの説を理解できないものではないかと疑ったというのだ(失礼しちゃう!)。


西洋絵画の話から日本に関連付けたエピソードを披露しつつ、ちょっとしたつっこみを入れつつ、と
なかなか興味のそそる書き方をしていると思った。
また、出来事・事件などを簡潔に面白く書かれていて、ストーリーテラーとしても良い書き手だと思う。

以下、各章のメモ↓

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Category : その他:美術
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期待しすぎだったのだろうか

怖い絵

中野京子 「怖い絵」 2007年 朝日出版社



お目当ての本がなくて図書館をうろついている時に、目にとまった「怖い絵」。
そういえば結構話題になった本だよな、と思って、これと「名画の謎」を借りて帰った。

まず本書「怖い絵」を読んでみたが…
正直期待外れ。
全っっっ然おもしろくない。

まえがきの「特に伝えたかったのは、これまで恐怖と全く無縁と思われていた作品が、思いもよらない怖さを忍ばせているという驚きと知的興奮である」(p9)を読んだ時は、試みが面白そうだな、と思ったのだが
この“怖さ”がわざとらしいというか、こじつけっぽかったり、安直過ぎたりするのだ。

そもそも本書の立ち位置がよく掴めない。
絵の解説というには感想文のようだし、
かと言って、著者の絵に関する見解を書いているのかというと、
それにしては非常に軽すぎる。

例えば、ダヴィットのマリー・アントワネットのスケッチについて

だが月日が怒涛の速さで流れ、ナポレオンが失脚して、さすがのダヴィッドも命からがら国を捨て、亡命先で死を迎えたとき、この元王妃の肖像を思い出したかもしれない。そのとき――。
 敵ながらあっぱれだったと気持ちがわいただろうか?おべっか遣いの宮廷画家たちが営々と美化してきたアントワネット像を、たった一枚のスケッチで粉砕してやろうと意図したにもかかわらず、仕上げてみれば、外見こそ醜く老いているものの心は何ものにも屈せざる大した女性を描いてしまったことに、内心うろたえただろうか?相手を傷つけようとしたのに、自分の悪意ばかりがクローズアップされたことに驚いただろうか?(p174)


うーむ…国語のテストで「この文章で作者が本当に伝えたかったことは何か?」的な問題と対面した時と同じような気持ちを抱いてしまう。
ただの深読みをまるでしたり顔で語っている感じが…というのはちょっと言い過ぎか。

とにかく、大分期待はずれな本であった。

以下は本書で取り上げている絵画と簡単なメモ。

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