阿部智里 「黄金の烏」 2014年 文藝春秋
シリーズ一作目の「烏に単は似合わない」では割と評価が低かったのだが
段々面白くなってきていると思う。
ということで本作「黄金の烏」が一番面白かった。
更に世界観が広がって来て、こちらの世界との関係性も出てきたし、今後の展開が気になる。
また、表紙の絵とは雰囲気が異なり、残酷シーンが出てきたりするのも
ただのおとぎ話になっていなくて、話に厚みがでて良い味がしていると思った。
以下簡単なあらすじ。
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津原泰水 「たまさか人形堂それから」 2013年 文藝春秋
「たまさか人形堂物語」が面白かったので、続編があると知るや否やすぐ借りてきた。
期待値高く読んだのだが、ちょっと最後が尻すぼみで終わってしまった感があって残念。
次が期待できる感じもするが、もう少しすぱっと歯切れよく終わって欲しかった。
また、冨永くんがスランプに陥るのだが、それがちょっと長すぎるというのも残念なところ。
もちろん、スランプというのは簡単に抜けられるものではないというのは重々承知だが
この本の面白さはすぱっすぱっとテンポよく進んでいくところだと思っていたので
なんとなくだれてしまった気がした。
ということで、また続編出して欲しいな~
むしろシリーズ化してほしい。
でも「それから」を付けてしまったからには、この先続けるのは若干難しいか…
各章の簡単なまとめ↓
V.E フランクル 「夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録」 霜山徳爾・訳 1961年
何度か「読んだ方がいい」と言われたのに、お恥ずかしながらなんとなく避けていた「夜と霧」。
図書館で違う本を借りようと本棚をうろついている時に、お目当ての本はなかったのに、
代わりにとばかりに目に入ったので、これは読めということか。
ということで読みました。
正直な話、訳があまりに古すぎて、すんなり理解できないところがしばしば。
冒頭の解説が、あまりに長く、淡々としていたので挫折しそうになったこともしばしば。
(ユダヤ人虐殺の記述なので大事なところであるのは分かるが)
でもやはり、色々と考えさせる本であった。
言葉にするのは非常に難しいが。
本書は収容所(アウシュビッツがメイン)に入れられてから、どうやって心理状態が変わっていくのか、から
解放された時の心理状態までが、非常に客観的に、むしろ学術的に書かれている。
特に興味深かったのが、先人の哲学者(ニーチェやショーペンハウアーやら)や作家(トルストイやドストエフスキーなど)を
引用しながら、自分の体験を肉付けしつつ書いているので、非常に分かりやすく、且つ説得力に富んだ。
以下、気になったところの引用;
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