筒井康隆 「時をかける少女」 昭和51年 角川文庫
本当は同作者の別作品を借りる予定だったのだが、あいにく図書館にはなく
そういえばこの作家さんの作品は読んだことないな、ということで
あまりにも有名すぎる「時をかける少女」を読むことにした。
アニメも見たことがなく、恥ずかしながら予備知識が皆無の状態で読んだのだが
まず短編ということに驚いた。
そして短編ということで感じた不安は的中、短編もSFも苦手ななか、なかなか受け入れるのが難しかった。
正直、なんでこんなに有名・人気なのかがよく分からなかった。
出た当時は斬新だったということなのだろうか。。。
以下、本書に収録されている作品とあらすじ↓
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池澤夏樹 「スティル・ライフ」 1991年 中央公論社
NAVERまとめだかで、「読んでおくべき本」だかに挙げられているのを見て
そういえば私の大好きな「巨匠とマルゲリータ」は池澤夏樹コレクションなのに
ご本人の本は読んだことないな、ということでさっそく借りてきてみたら。。。
めっちゃ好み!!!
静謐で言葉が美しくて、それでいて話も面白い。
最初の2ページでノックアウトでした;
この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。
世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、それぞれまっすぐに立っている。
きみは自分のそばに世界という立派な木があることを知っている。それを喜んでいる。世界の方はあまりきみのことを考えていないかもしれない。
でも、外に立つ世界とは別に、きみの中にも、一つの世界がある。きみは自分の内部の広大な薄明の世界を想像してみることができる。きみの意識は二つ世界の境界の上にいる。
大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。
たとえば、星をみるとかして。
二つの世界の呼応と調和がうまくいっていると、毎日を過すのはずっと楽になる。心の力をよけいなことに使う必要がなくなる。
水の味がわかり、人を怒らせることが少なくなる。
星を正しく見るのはむずかしいが、上手になればそれだけの効果があがるだろう。
星ではなく、せせらぎや、セミ時雨でもいいのだけれども。(p9-10)
本書には2篇収録されているのだが、
個人的には芥川賞受賞作品の「スティル・ライフ」より「ヤー・チャイカ」の方が好きだった。
やっぱりロシアいいね。。。