宮下奈都 「太陽のパスタ、豆のスープ」 2010年 集英社
図書館で見かけて、確か本屋大賞にノミネートされてたよな…と思って借りた。
因みに、本書はノミネートされていないし、別の作品で受賞されている。
どこからこの勘違いが起きたのかは分からない…
ただ、勘違いして読んでおいてなんだけれども、
あまり好みな話ではなかった…
なんというか、主人公がずっと煮え切れなくて、建設的ではなくイライラした。
個人的に、もっとも友達になりたくない人種であった。
塩野七生 「ローマ人の物語3 ハンニバル戦記[上]」 平成14年 新潮社
第一次ポエニ戦役の話だったせいか
ちょっと退屈な前巻に比べて、非常に面白かった!!!
海軍を持たないローマが、海軍に挑戦し、逆に海運国ではなかったから出てきた発想で大勝利を収める、
というのから、まず最高に面白い。
ローマ人のおおらかさはまた全開で、例えば紀元前263年に執政官に選ばれたオタチリウスは、
紀元前326年から284年にかけて、実に40年もの長い間、ローマが死闘を繰り広げていたサムニウム族出身なのだ。
かつての敵を、戦後20年後に、自分の最高指導者に選出してしまうなんて、本当にすごい。
因みに、なにげに「へー!」と思ったのが、ローマ人は肉食でなかったということだ。
ローマ人の主食は小麦粉を使ったパンか、小麦粉を主としたおかゆ、それに野菜・果物・チーズ・牛や羊の乳・魚だったらしい。
肉を好むガリア人とゲルマン人は、その体格でローマ人を圧倒することになるが、
だからといってローマ人は食生活を変えなかったらしい。
そんなわけで、ローマ兵の行軍中の食事は、牛や羊の乳を入れて煮たおかゆかパンに、
チーズの一片と玉ねぎに、一杯の葡萄酒だったらしい…
これで勝利していたったというのだから、それはそれですごい。
因みに、今の欧米人の肉好きは、祖先がガリア人かゲルマン人だからとのこと。
以下、各章の要約(要約というには長すぎるかもしれないが…);
カイ・マイヤー 「鏡のなかの迷宮 1 水の女王」 遠山明子・訳 2003年 あすなろ書房
ヴェネツィア旅行するのに、ヴェネツィアが舞台になった本ということで読む。
ヴェネツィアが舞台、といっても、この世界のヴェネツィアではなく、
別世界のヴェネツィア、というファンタジーとなっている。
この世界では人魚が普通にいるし、
ヴェネツィアの旗にもなっている翼をつけたライオンが、実体としている。
タイトルが示す通り、「鏡」がキーワードとなっていて
鏡が映す別世界が、今後のテーマになっているのかと思われる。
夜、ヴェネツィアの運河に映る家が、よく見ると光が灯っている家が違う、というシーンは
かの地を思うとありそうな感じで、素敵な絵画を見ているような感じがしてよかった。
以下、あらすじ;
百田尚樹 「海賊とよばれた男(上)」 2014年 講談社
図書館に行ったら、本日返された本としてワゴンに入っていたので、
なんせ話題作だったしと思って手に取った1冊。
ただし、上巻しかなかったが…
感想としては、百田氏の本は「永遠の0」しか読んだことがなかったが
なんかめちゃくちゃ似てるなということ。
クズな日本人上層部、実際の日本人は素晴らしかったり勤勉だったり、
そしてそれに驚くアメリカ人、敵だと思ったアメリカ人と認め合う…
時代がちょっとずれただけでほぼ一緒じゃないか?
あまりにすべてが典型的過ぎて飽きたというのもある。
主人公の国岡があまりにすごい人過ぎて、興覚めしたのもある。
映画やドラマといった媒体だったら面白かったかもしれないが、
本のようにじっくりと物語を楽しむ媒体だと
物語の浅さが露見してしまって、なんとなく嫌気がさしてしまった。
塩野七生 「ローマ人の物語2 ローマは一日にして成らず[下]」 平成14年 新潮社
自分がいかに政治に興味ないのかがよく分かった1冊だった。
政治の話がずっと続いたせいか、さくさく読むことができず、
睡魔に襲われることがしばしば。
なので、後半の戦いの物語になると、ほっとした。
戦いの物語が面白い、というと響きがよろしくないが、苦境に立たされたローマが打開するのとか純粋にわくわくした。
以下、章立てと各章の簡単説明↓