カイ・マイヤー 「鏡のなかの迷宮2 光る石」 遠山明子・訳 2003年 あすなろ書房
なぜか3部作のうち、2作目だけいつも使う図書館になく、
延滞しまくっている身では取り寄せることもできず、
やっと手に入った本書(やっと返したともいう)。
1作目を忘れてしまった気がしたので、1作目も借りて復習してから臨む。
児童書で人魚とかスフィンクスとかファンタジックな生き物が出てくるのに、
かわいいとか美しいとかがいっさいない。
主人公のジェニパなんて眼に鏡仕込まれて気持ち悪いし、
人魚なんて、鮫の歯が生えた口裂け女だし。
本書は地獄に行くので、さらにグロテスクなのが出てくる。
個人的にこれが最高だと思っている。
異形のものが出てくるなんて最高。
あらすじは以下の通り;
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高殿円 「上流階級 富久丸百貨店外商部II」 2016年 光文社
「上流階級」に2巻があるよ~と友達に教えてもらい、
図書館でさっそく借りてきた。
読み始めたら一気読みだろうから、疲れている時には読んではいけない!と思っていたのに
うっかり日曜日の夜に読み始めて、案の定一気読みし、
月曜日がきつかったという羽目に陥った。
仕事の鬼のつもりではないけれども、がむしゃらにやってしまって
結局、恋愛とかそっちのけで仕事一本になってしまっている、というのが
何となく共感を持ってしまうのだと思う。
(もちろん静緒のように仕事できる人間ではないが)
あと、個人的に桝家の関係がいいな、とも思ってしまった。
契約結婚、いいではないか。
というわけで、簡単なあらすじを;
百田尚樹 「海賊とよばれた男(下)」 2014年 講談社
以下、割とマイナスレビューなのでご了承ください。
上巻を読んでしまったので、仕方なく読んだ下巻。
つまらなくてまさに流し読み。
事実をだらだら書いてあるだけだから、小説と呼んでいいのか分からないくらいの
物語性のなさであった。
簡単なあらすじを書くと、
国岡商店は数々の邪魔に合う。
そこで戦うにはタンカーが必要だということになり、タンカーを造るのであった。
そのタンカーの名前は日章丸。
アメリカから石油を輸入していたのだが、そこも阻まれてしまう。
そこで次に目をつけたのが、イランであった。
イランはイギリスと石油をめぐる利権争いのまっただなかだった。
国岡商店は、そのイランから石油を買うことになる。
イギリスの目をかいくぐって、イランまで日章丸が行くシーンは
さすが山場だけあって面白かった。
その後、イランでクーデターが起きる。
それはCIAが裏から操作したものであった。
新政府と国岡商店は前のようにはいかなくなってしまう。
ただし、国岡商店はその頃には巨大化していた。
おかげで精製工場を建設する。
といった感じで、鐵造が亡くなるまで話が続く。
小説というより、テレビのドキュメンタリーで再現ドラマを見ているようであった。
それが対して興味もない石油となるとますます苦痛であった。
もうどんなに話題になっても、百田尚樹氏の作品は読まないだろうな…
浅田次郎 「わが心のジェニファー」 2015年 小学館
あまり積極的に読みはしないけれども、浅田次郎の作品は読むと外れはないという印象はあった。
なので、何かの紹介で本書が出ていた時に、読みたい本リストに付け加えておいた。
が…
正直、本当に失望させられた。
のっけから面白くない。
何度も止めようかと思ったが、もしかしたら面白くなるかもしれない、という想いで読み続け、
やはり面白くないまま終わった。
面白くなかった理由としては、
まず、やたらめったらと日本礼賛なところ。
外国人の目から見た日本、という設定だが、日本が素晴らしい!ということしかない。
日本に対する困惑などほぼゼロで、ただただ称賛しかない。
本当に、「どうしちゃったの!?」と正気を疑うくらいの軽率さだ。
次に、主人公は婚約者がいる身で日本に来るのだが、
女性に対してとても軽率である。
やはり、女性としては不愉快極まりない。
しかも不貞を働いた後に、普通に婚約者へ手紙を出しているところが神経疑う。
もちろん、女性と一緒にいるところはきれいに抜き取られた状態で書かれている!
「何が“わが心のジェニファー”だよ!」と毒づきたくなる。
以下、簡単なあらすじ;