貴志祐介 「新世界より(下)」 2011年 講談社
下巻も一気に読み終わってしまった。
正直、最後はもっとドラマチックに終わって欲しかった気もするけれども
読む勢いを遅めないぐいぐい感は圧倒的であった。
中巻の途中からずっと感じていた、瞬のことを忘れてしまったという切なさは、しばらく続く。
早季は瞬のことを好きだったのに、意外と瞬とのやり取りがなく、
どちらかというと覚の方が生き生きと描かれていたはずなのに、
瞬の喪失感は、真理亜がいなくなってしまった後よりも、ものすごくあった。
瞬とのエピソードを小出しに、でもインパクトのあるものにすることで
存在感をしっかり残していったという証拠なのだろうか…
とりあえず、以下あらすじ;
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貴志祐介 「新世界より(中)」 2011年 講談社
遠出したり待ち時間があったりしたのもあるが、
1日で読み切ってしまったのは、面白くてぐいぐい引き込まれたからだと思う。
上巻は、世界のシステムの紹介にまつわるようなエピソードが多かったが、
上巻の後半から物語が大きく動き出し、本書では次から次へと起こる。
まさかの展開だらけで、下巻が待ち遠しくてしょうがない。
以下簡単なあらすじ;
カイ・マイヤー 「鏡のなかの迷宮 ガラスの言葉」 遠山明子・訳 2004年 あすなろ書房
遂に最終巻の「鏡のなかの迷宮」。
残念ながら最後は失速した感じ、少々だれてしまった。
もしくは翻訳の悪いところが出たのかもしれない。
文章の違和感を感じてしまって、あまり引き込まれなかった。
同時進行で、ぐいぐい引き込まれる本を読んでしまっていたというのもあるかもしれないが…
とはいえ、終わり方としては文句ない終わり方で、
ハッピーエンドではないが、納得のいく終わり方だったと思う。
以下、あらすじ;
塩野七生 「ローマ人の物語7 勝者の混迷[下]」 平成14年 新潮社
相変わらず政治の話で、しかも成熟してきて色々と破たんがきている頃のものだから
あまり勢いもなく、ちょっと失速感は否めない。
しかし、今回の最初の立役者であるスッラは、
塩野さんが好きな人物っぽく、面白く書かれていたので
政策がどうであれ、人柄に惹かれてしまった。
墓碑に
「味方にとっては、スッラ以上に良きことをした者はなく、敵にとっては、スッラ以上に悪しきことをした者はなし」(p79)
と彫らせたというエピソードを読んで、
この人を食った感じがなんとも言えず好きだなーと思ってしまった。
また、今、「ローマ」というドラマを観ているのだが、
そのドラマがポンペイウスの没落から始まるので、
ポンペイウスが出てきて活躍し始める本書は、
ドラマの前日譚を読んでいるようで面白かった。
カエサルはもちろんのこと、キケロやカトーの名前が出てくると、
「あの人か・・・ふむふむ」と思ってしまう。
以下、簡単なまとめと気になったところの羅列;