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がらくたにっき |

ルソーは好きな画家なので、もう少し掘り下げて欲しかった

原田マハ 「楽園のカンヴァス」 2012年 新潮社




母親に勧められて読んだ初・原田マハ作品。
結果、面白くなかった訳ではないけれども、色々と残念だった作品。

もう少し長い話にして、1つ1つの要素を細かく深く描けば、読み応えのある作品になったのかな~と思った。
あと、主人公の一人である織絵にあまり好感もてなくて、最初に入りずらかったのもある。

ざっとしたあらすじは以下の通り。

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Category : 小説:現代
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ガチョウと練習していないギターを披露する話が最高に面白かった

Michael McIntyre "Life and Laughing: My Story" 2010, Penguin Books




YouTubeでJames CordenのCarpool Karaokeという番組にはまり、
そこから派生してMichael McIntyreというコメディアンに出会い、
それからドはまりしてしまって、ほぼ毎日のようにYouTubeで観続け、
挙句の果てには、彼の自叙伝があると知ってAmazonで迷いなくポチっとしてしまった。

読んでみて驚いたのが、本当にここまで書いちゃっていいの!?というくらいの赤裸々に書かれていること。
それこそ、母親のモラル的にいいの?ということから(車からぽいぽいゴミを捨てていた、とか、母親の浮気が原因で離婚した等)、性的な話まで。

両親の離婚、父親のアメリカ移住や父親の死、まったくモテない話やAレベルの失敗、コメディアンとしての不遇な時期等など、
今の成功に至るまでが、まったく平坦ではないのだが、
それを笑いや自虐的な感じでごまかすことなく、ストレートに書かれているのが
そういったこともすべて自分の一部として、あるがままに受け止めているんだな、と思った。

特に、両親の離婚についてはよく書かれていて、アメリカに父親が移住してしまい、滅多に会えなくなってしまった時の話は
非常に切なく、Michaelも次の章で「Wow. That was a little heavy. Let's lighten up the mood and turn on our attentions to the loss of my virginity.」(p160)と書いている。(その話題もそんな知りたいとは思わないけれど…)

そんな中、同士のようにずっと一緒にいたのが妹のLucy。
Lucyが登場した時は、

'Michael, do you want to say hello to your new little sister?' my dad asked.
'Keep that little bitch away from me,' I tried to say, although all that came out was, 'Ma, Da, Shum.' (p39)

という状態だったのが、帰宅して家の前に立っていた母親に父親の訃報を聞くと

'Where's Lucy?' I said.
I ran upstairs to find Lucy in my bed waiting for me, crying. Through all the changes in my life, my parents divorcing, remarrying, moving home and school, having new half-brothers and sisters, Lucy was the constant in my life. We experienced everything together. Our dad had a new life, a new family, and so did my mum, and as hard as everybody tried for it not to feel this way, Lucy and I were stuck in the middle. But we had each other, and at this moment we needed each other more than anybody else.(p197-8)

となる。
その後も、初めてコメディアンとして舞台に立った時に後押ししたのもLucyだし、売れなくても応援してくれたのもLucy、最愛の妻Kittyの出会いもLucyによってで、本当に妹がいて良かったと思った(何様という感想だけれども…)。

Michaelの成功への道は、失敗→奮起して上昇、というのも好感が持てる。
まず、Aレベルに失敗し、入る大学もなく仕方なしのGap Year後、なんとかエディンバラ大学に入るも、
授業に出席せずに、ウッディ・アレンの映画を観続けるダメ生活をしていたかと思うと、
奮起して突然、脚本を書き始め、しかも書き上げてしまう。

脚本家になる!と決めて、大学を辞めてロンドンに戻る。
脚本はいくつかポジティブな評価をもらいつつも、結局映画化に繋がらず
次の脚本も書けず、仕事もなく、祖母がくれるお小遣いをあてに暮らしていたのから、
コメディアンになろう!と思い立つ。
そこからあちこちのコメディハウスでライブを続ける。

エージェントの目に留まり、そこに入るものの、入って来る仕事は
Jongleurs関連の仕事で、これが出張コメディみたいなもので、stag nightなどのパーティーに呼ばれてジョークを言うだけの
コメディアンとしての評価に繋がらないものばかり。
非常に面白くない仕事で、一緒に出演するコメディアンも非常に惨め。

エディンバラ・フェスティバルに出場しても、まったくチケットが売れない。
エディンバラ・フェスティバルへの出場代金、ハネムーンの借金、しかも1年しか通っていなかった大学のstudent loanなども重なって、金銭的に二進も三進もいかなくなっていたところ、妻であるKittyが妊娠。

子どもが生まれるまで金銭的問題を解決しようとしても何も糸口が見つからず。
でも子供が生まれて、その顔を見た途端に、この子のために何とかしなくては!と奮い立ち、
エージェントを変える。
その途端に次々入って来る仕事。

更にThe Royal Variety Performanceにねじ込んでもらって、そこでも成功。
とそこからどんどん成功していく。

本当にダメな時はTHEダメ人間なのだが、これだ!と思うと突き進むひたむきさ、
そして己のことを本気で信じているというのが、彼の強みなんだろうなと思った。

Category : 自伝
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「金持ち」が「銀持ち」なのが、日本史を思い出してツボだった

朝井まかて 「阿蘭陀西鶴」 2014年 講談社




朝井まかての「恋歌」を借りても読まずに返す事2回。
しかし友人が「眩」が面白かったと言っていたので、図書館に行ってみたらなく、
「恋歌」もなかったので、「阿蘭陀西鶴」を借りてみた。

あまり期待もしていなかったのだが、すごく、すごく、すごーーーーく面白かった!!!
特に最近、面白い本に恵まれていなかったので、余計に面白く感じた。

井原西鶴の娘が主人公になっているのだが、『井原西鶴』という歴史上のよく知る人物、と固くなりそうな題材が、
よくしゃべって煩いは調子に乗るわ、げろりと蛙みたいな音で喉を鳴らす父親と、
そんな父親を心底嫌がる、引っ込み思案気味の娘の話、という感じになっていて親しみやすい。

とはいえ、浮世の世界、という感じで、人生の明るい部分、というより
暗くて、やるせない部分が多く描かれている。
それが大阪弁で、井原西鶴がわさわさ、色々と豪快にやっているので、そこまでじっとりもしていない。
この絶妙なバランスがとてもよかった。

あとちょこちょこ歌舞伎の話が出てきたりして、歌舞伎好きとしても楽しめた。

簡単なあらすじは以下の通り;

Category : 小説:歴史
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タイトルは11篇あるから、ということだろうか

津原泰水 「11」 2011年 河出書房




久し振りに津原泰水が読みたくなって、適当に借りてきたら、短編集でちょっと残念。
これが2018年の初読了本になった。
「奇譚集」と系統が同じで、ちょっと不思議な本だった。
理解しがたい物語もあったけれども、津原泰水ワールド満載だった。

以下、各話の簡単なあらすじ;

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