fc2ブログ

がらくたにっき |

「行きしな」は標準語だと思っていたので注釈が付いていたのが微妙にショックだった

三浦しをん 「神去なあなあ夜話」 2012年 徳間社



「神去なあなあ日常」の興奮を忘れないうちに(というほど鼻息ふんふんな訳ではないが)、「神去なあなあ夜話」を読み終わった。
勇気の恋の行方に関しては、毛の先ほども興味ない身としては、途中、「もうどうでもいいから…」と思うところがあったが、概ね面白かった。
勇気の恋の行方に興味がないというか、直紀が好きではなくて、なんで勇気が直紀に執着するのかが分からない、というのもある気がする。

本書は、まるっきりの続き物、というよりは、その後の番外編集みたいになっている。
形式としては勇気がヨキの使われてないPCを使って文章を書いている、というのは変わらない。
途中で、繁ばあちゃんが見つけて盗み読みやら、適当なことを書いたりしているのが微笑ましかった。

以下、各話の簡単なあらすじ;

スポンサーサイト



Category : 小説:現代
Posted by nizaco on  | 0 comments  0 trackback

挿絵の山太がまたとても可愛い

三浦しをん 「神去なあなあ日常」 2009年 徳間書店



実は先に「神去なあなあ夜話」を借りてきて読んでみたら、『あれ、これもしかして続編…!?』となって慌てて借りてきた。
映画化されていたので、ある程度の期待があったのだが、それを裏切らない面白さだった。

正直、三浦しをんさんはあまり恋愛話がうまくないと思うのだが、それはエッセイを読んでの偏見だろうか…
というわけで、主人公の恋模様はいらないと思ったけれども、それを差し引いても十分面白かった。

林業という題材も面白いし、山を基盤とした村人たちの営み、そしてお祭りの様子が、普段では分からない異世界でなかなか興味深い。
そして、それらが軽いタッチで書かれているのでとても読みやすかった。

以下簡単なあらすじ

Category : 小説:現代
Posted by nizaco on  | 0 comments  0 trackback

つまらないと思ったら、途中で読むのを止めるべきか迷う

酒見賢一 「後宮小説」 1989年 新潮社


何年も前に読書会へ参加した時に紹介された小説、今になって読んだ。
正直、紹介してくれた人には悪いけれども、めっちゃつまらなかった。

いわゆる中華ファンタジーと呼ばれるジャンルだと思う。
といっても魔法とかあるわけではなく、
架空の国の歴史小説、みたいな体裁を取っている。

もちろんテイストは何十倍もライトなものではあるけれども
司馬遼太郎のように、筆者の意見・考察などがものすごく入るようなアプローチの仕方で
そういうのが非常に受け入れがたい自分としては
とても、とても読みにくかった。

司馬遼太郎の小説もとても苦手なのだが、
とにかく、こちらは物語(ストーリー)を楽しみたいのに
ストーリーラインを断ち切るように、
筆者(現実世界の人)の意見・考察を入れられると気分が萎える。

例えば、物語の発端となるような最初の方のシーンで
 銀河は、と書き出さざるを得ない。ここで、筆者は言いわけをするとともに、諒承を得ておかなければならない。実のところ筆者は銀河がどういういきさつで宮女募集に応募したのかさっぱり分かっていない。史料にはその辺の事情が明記されていないし、諸先生も後宮内における銀河から初めており、諸陀地方の一田舎娘がどういう動機から宮女を志したのか、本気になって研究はしていないのである。また、銀河が真野の部下によるスカウトという形を取ったのかもしれず、全くはっきりしない。こういう巨大な欠落を糊塗するため、先ほどから長広舌を振るっているのだと思われても黙して謝するしかない。
 だが、敢えて筆者は、銀河は、と書き出さざるを得ない。小説という形態が、所詮は事実に及び難いという諦めであろうか、あるいは、小説は事実に近付くべく義務など最初から持ってはいないという確認としてか。とにかく。(p16)

と、長い…長すぎる……

もうどうでもいい!ファンタジーでしょ!?とキレたくなる長さである。


これが随所にある。

確かに中国の歴史小説のように漢文が入ってたりして、

『中国語の知識すごいな』という感じだが(合っているのかは知らないが)

本当に鬱陶しいと思ってしまうくらいの長さと頻度の高さだった。


そもそも物語としては;


素乾という国の皇帝が無くなり、17歳の皇帝がたったので後宮が整えられる。

そこに銀河という少女が応募して、後宮に入る。


後宮の教育を受けた後、銀河は正妃になる。

それは教育時の先生が銀河は安全だろうと見込んでのことだった。

新しい皇帝は、銀河が後宮に入った時に道案内してくれた女性で、

前皇帝の妃(産みの親ではない、母親はこの人に殺された)に命を狙われているので

女装して逃げていたのだった。


同時期に退屈紛れに賊が立ち上がる。

途中で大義名分もできた賊は王宮まで攻めてくる。


皇帝は投降し、銀河の働きで後宮は助かり、

でも皇帝は亡くなる。

銀河は皇帝を身ごもり、男の子を生み落とす。


一時は賊が天下を取るが、銀河の子供が取り返すことになる、という感じで終わる。


とにかく中身が薄い!!!

歴史書みたいにしているからか、あまり人物の掘り下げもないし。

まだ、本物の歴史小説のように、例えば宮城谷昌光なみの固さがあれば読み応えがあったものも…

Posted by nizaco on  | 0 comments  0 trackback
該当の記事は見つかりませんでした。