水木悦子 赤塚りえ子 手塚るみ子 「ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘」 2010年 文藝春秋
図書館で偶然目について、面白そうと思って借りてきた本。タイトルの通り、水木しげる、赤塚不二夫、手塚治虫の娘たちの対談集。
この時は水木しげるはまだご存命のよう。
まあまあ面白かったけれども、よく考えたら、良く読んでいたのは手塚治虫漫画くらいで、それこそ赤塚不二夫作品なんて、アニメですらほぼ観たことがない状態。
なので、あまりのめり込むことができなかった。
ただ偉大な父を娘たちがどう見ていたのか(当たり前だけど、普通の父親として見ていた)というのが、ギャップとしては面白いのかなとも思った。
本当に、この3大先生のファンで、作品も読んでいて、エピソードなども知っていたら、もっと面白かったかもな、と思った。
逆に私は、「娘が父を見る視線」というのに共感は得られた気がする。
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塩野七生 「ローマ人の物語10 ユリウス・カエサル ルビコン以前[下]」 平成16年 新潮社
相変わらずのんびり読んでいる「ローマ人の物語」。本書は割と動きのある巻で面白かった。
三頭政治の1人である、クラッススは周囲の反対を押し切ってパルティア遠征に乗り出す。
お金も持っていて地位もあったクラッススだったが、大きな戦勝の実績がなく焦っていたと思われる。
ただ、金持ちだったで逆にケチで、軍の数をケチってしまう。
それもあり、パルティア王国で敗北を期し、クラッスス本人も、またとても優秀でずっとカエサルの元でガリア戦役に従事していた彼の息子も戦死してしまう。
こうして三頭政治の1人が死んでしまったのだ。
更にポンペイウスの妻でカエサルの娘も死んでいたので、ポンペイウスとカエサルの絆も薄くなっていた。
そこに元老院が目をつけ、ポンペイウスを自分たち側に取り込もうとしていたのだった。
カエサルにとって政治的危機が迫っていたが、カエサルはそちらに眼を向けていられなかった。
ガリア民族が初めて、団結してローマに反逆してきたからだった。
最終的にカエサルは勝利するのだが、戦役の事後処理中もローマで更に不利な状況になっている。
そこを、まさかの反カエサル派だった青年を取り込み、スパイのようなことをさせるというのが、なかなか面白かった。
以下引用
吉川英治 「三国志(二) 群星の巻」 平成25年 新潮社
ますます劉備達の存在感がなくなった二巻。
世の腐敗を憂えて時の権力者を殺しても、次にはその人が殺されるという負の連鎖が続くという感じがしてならない。
三国志はこんな物語なのだろうか…(あまりに無知でお恥ずかしいが)
津原泰水 「ブラバン」 2006年 バジリコ
前回短編で残念だった津原泰水、長編を借りてきてた。
主人公が男の子の、しかも登場人物が多いお話って、津原泰水作品で初めて。
しかも方言満載でなんだか新鮮だった。
ただ、登場人物が多すぎる上に、過去と現在を行ったり来たりするので、ものすっごくややこしかった!
登場人物の表があったけれども、この過去と現在の行き来に本当に難儀した。
津原泰水の作品って、割と脈絡なく話が進む雰囲気があって、そこが好きなのだが(きちんと物語が流れている感が少ないというか)、この登場人物の多さと、過去・現在のいったり来たりには混乱しかなかった。
読解力がないのかもしれないけれども。
簡単なあらすじ(ネタバレあり)は以下の通り;