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がらくたにっき |

遠野にまた行きたくなった


中島京子 「かたづの!」 2014年 集英社



本の紹介みたいな雑誌に出ていた本書。
これまたずっと「読みたい本」として登録されていたもの。
著者が「小さいおうち」と同じ人と気付かずに読んでいて、
なんか読みにくい本だな~と思って最後のページの著者紹介を読んで、ああ…と思った。

「小さいおうち」はあまり面白くなかった記憶があったので、
(実際に過去記事読んだら、文句が多かった…)
知ってたら覚悟して読んだのになぁ…

ということで、個人的にはあまり面白くなかった、というのが正直な感想。
徳川の時代の始まりの頃の話で、女城主になった人の話。
題材と作家が女性というところで、「剣と紅」に似ている気がした。
そして共通で感じた、”読みづらさ”…

何せ、その時代の人の名前が皆似通っていて、更に親戚筋とか入って、大変分かりづらい。
家の事情も物語を進めるうえで大事となると、その説明は避けて通れない。
説明っぽすぎると物語性が薄れるし、簡単に説明されると何だかよく分からないまま話が進んでしまう・・
どう考えても難しいよな。

そのうえ、本書に関しては、若干のファンタジーが入っていて
余計にややこしかった。
途中で、遠野にかかわる話なのだ、と分かった時から俄然やる気が出てきたが(遠野好き!)

以下、簡単なあらすじ;

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Category : 小説:歴史
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学生の頃に読んだはずなのに全く覚えていなかったことの哀しさよ


辻 惟雄 「奇想の系譜」 2004年 筑摩書房



東京に行った際に「奇想の系譜」展に行きたくて本書を読む。
学生の時に読んだはずだけれども全然覚えていなかったので
図書館で借りようと思ったら、当然のように借りられており…
珍しく本屋で買った。
当たり前ながら、大阪では平積みにもなっていなかった…帯には展覧会の宣伝があったけれども。

読んでみて、学生の時に抱いた感想を思い出し、それと同じ感想が湧いてきた。
それは、題材としては面白いといえば面白いけれども
あまりに「奇想」という言葉にとらわれすぎていて、ちょっと感情的だな、ということ。

書かれた当時は、日本で知られていない(もしくは見過ごされていた)画家に焦点をあてる、という点では
本書は非常に大きな役割を担っていたと思う。
もしかしたら、知られていない画家を紹介するから、そしてそれを美術の専門家でない人に知ってもらおうとしてるからか
彼らの奇異性をあまりに強く押し出している気がしたのだ。
結果、今では若冲ブームが到来するなどしているので、辻氏のこの働きは実を結んだといえるだろうが。

と偉そうに言ってしまったけれども、知らないこともたくさんあり
面白く読んだことは間違いない。

以下、興味深かったことの抜粋;

Category : その他:美術
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新潟方言と秋田方言の差がよく分からなかった


坂東眞砂子 「山姥」 1996年 新潮社



ブクログで「読みたい本」に登録されっぱなしだったものを消化キャンペーンで読了。
誰にどこで紹介されたのか、あまり覚えていないけれども、読書会で紹介された気がしないでもない。

2段組みなっている長編となっているが、割とすんなり読み終えれた。
内容が濃いが、章立てが単純明快だからかもしれない。
難点だったのが、漢字にフリガナがほぼなく、見たことない単語を調べようにも調べられなかったところか…
特に「瞽女唄」がキーになるのに、「瞽」が何と読むのか分からず、調べられなかった…
(正解は「ごぜうた」)

全体を通して、女性の生きづらさがテーマのようだった。
印象的なのが、主人公の1人、妙の母親が言うセリフ;

「女というのは損なもんだ。嫁ぎ先で朝から晩まで身を粉にして働いで、子を生んだら、育てるのにまた大ごとだ。いらねえ子だと、その始末も自分でつけねといけね。男が羨ましいがんだ。仲間と一緒に山に猟に行ったり、酒飲んで騒いだりできる」(p89)


そして本書に出てくる女性はほぼ幸せな結末を迎えていない。
切ないといった生半可な気持ちよりも、慟哭のような強いものを感じた。

以下、簡単なあらすじ;

Category : 小説:歴史
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本のデザインが好き


森見登美彦 「新釈 走れメロス 他四篇」 平成19年 祥伝社



妹に森見登美彦の「夜行」を勧められ図書館に向かったところ、無かったので代わりに、ずっと気になっていた本書を借りてきた。

久し振りの森見登美彦なのだが、いやぁ…前はこの文体を魅力的に感じていたのだが、今は軽くいらっとする。
以前、読書会に出席した際に、中年のおじさんが森見登美彦はつまらない、何で絶賛されているのかさっぱり分からん、と悪し様に言っていたのを、猛烈に反発したものだが、
歳をとると面白さが分からなくなってしまうものなのか…残念…もっと読んでおけばよかった…

何はともあれ、本書の中でお恥ずかしながら、最後の2編、「桜の森の満開の下」と「百物語」はオリジナルを知らなかった。
(「桜の森の~」は読んだはずだが、さっぱり覚えてない)
そのオリジナルを知らないものは、まぁまぁ楽しんで読めたのだが、
知っているものは、ひどい…という印象しか持てなかった。
こんなに有名な作品を森見ワールドで描き直す、という姿勢は尊敬に値するけれども
「森見ワールドになるとこうなるのか、ふむふむ」という余裕がなかった。
もしかしたら、「山月記」が大好きで、「藪の中」も割と好きな作品だったから、自分の方に楽しむ余裕がなかったのかもしれないが…

という訳で簡単にあらすじ;

Category : 小説:現代
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とりあえず花咲シリーズを読み直したい

角川書店
発売日 : 2002-10
柴田よしき 「聖なる黒夜」 平成14年 角川書店

突然、思い出した山内練。それで「所轄刑事・麻生龍太郎」だったのだが、それに続けとばかりに読んだ本書。
面白いとは知っていたのだが、何となく読んでしまうのが惜しくて読んでいなかった本。
正直、柴田よしきにはまって、花咲シリーズやらRIKOシリーズを読んでいた時に読んでおけばよかった…多分、その時読んでいた方が興奮はすごかったと思われる。

とはいえ、このボリュームを飽きさせずに読み終えたくらい面白かった。
そして、再び「山内練いい!」となったし。

簡単にあらすじ(ネタバレ含む);

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