高殿円 「トッカン 徴収ロワイヤル」 早川書房 2018年
図書館をプラプラしている時に、トッカンの読んでない本を発見。もちろんすぐさま借りた。
楽しみに読み始めたのだが…
あれ、トッカンシリーズってこんなに面白くなかったっけ…?と思うくらいつまらなかった。
高殿円の他の作品に比べても面白くない部類に入ったかも…
面白くなかった原因の一つに、ぐー子の態度にある。
まず、あんなにも鏡特官を邪険にしなくても…と思ってしまう。仮にも上司だし、色々と教えてもらっているはずなのに、”人をこき使いやがって!”の感情が大きすぎて、若干引いてしまう。
もう一つが、滞納者への態度。滞納しているからしょうがないんだろうけど、そして色々と正論しか言ってないんだけど、なんかいらっとする。
例えばこんな感じ;
「みんな払ってないのに」
「払ってます」
「日本橋の署は待ってくれるって言ってたぞ」
「では、どうぞこちらのぶんんを綺麗にお支払いになってから、むこうにご相談ください」
「なんとかしてくれよ。あんたらプロなんだろ。だったら法律にも詳しいだろう。俺は五十年以上働いて税金を納めてきたんだぞ!」
はい出た・”あんたらプロなんだろ”。
「徴収官はコンサルタントじゃないので」
「こっちだって、金があったら弁護士雇ってるわ!」
はいまた出た・決まり文句“金があったら弁護士雇ってる”。
「十三日までに振り込んでください」
さくっと引導を渡した。(p43-44)
いや、何度も言うけど、滞納者が悪いし、この滞納者だってすごく態度がいい訳ではない。
でもこの通り一辺倒の物言いが、腹の立つ行政の人の口ぶりっぽくてイラっとする。それで悦になっているぐー子にがっかりしてしまうのだ…
まぁ、立派な公務員として成長したと言えるのかもしれないけど。
今回は連作になっているので、各章の簡単なあらすじ;