fc2ブログ

がらくたにっき |

本の裏のあらすじが、ちょっと納得いかない…


皆川博子 「死の泉」 1997年 早川書房



早川文庫の冊子から面白そうなものをピックアップしてブクログに登録してたもの。
皆川博子の作品は「猫舌男爵」しか読んだことがなくて、それがあまり面白くなかったので続かなかったが、
吉川英治文学賞の受賞作品だし、年間ベストミステリにも選ばれてるしと思って登録。

読み終わって…印象悪かったからって読まずにいないでよかったーーーーー
というくらい面白かった!!!
途中、若干の失速はあったけれども、基本的には読むのが止まらない系。

以下、激しくネタバレになるので注意

スポンサーサイト



Posted by nizaco on  | 0 comments  0 trackback

学問において「あれ?」と思うことがいかに重要かを痛感


岡田温司 「マグダラのマリア」 中央公論新社 2005年



通信大学のレポートに”マグダラのマリア”について少々書く必要があったので借りてきた本。
レポートにはあまり使わなかったけれども、非常に興味深い内容だった。
確かに、聖書にはマグダラのマリアが娼婦であるなんてどこにも書かれていないのに、なんで娼婦というイメージがついたのか、というのはよく考えると非常に不思議なことで、それに気付かなかったのが地味に悔しかった。

本書を読んでいくと、西洋の文化において、女性蔑視がいかに根深いのかがよく分かった。フェミニズムが近代において重要な動きであったり、つい最近でいえば「#MeToo」がいかに大きな波紋を呼んだのか、というのは、この根深さを知れば納得しかない。
もちろん、日本をはじめとして他の文化圏でも女性問題はある。しかし日本では天照大神が女性神であったり、歴史上に女性が出てくることは稀にでもある。それに対して、マグダラのマリアが元々あった特権をいかにはく奪されていったかを見れば、それをベースにしたキリスト教、更にそれをベースにしたヨーロッパ文化が、どれだけ根深いのかが想像できる。
正直、イギリスにいた時も、フェミニズムについての女性たちの鋭い口調に、時々へきえきとさせられていたところがあったけれども、これを読んで心の底から納得した。

Category : 新書
Posted by nizaco on  | 0 comments  0 trackback

それにしてもおばあちゃんが80歳超えって年取りすぎじゃないか?


ロアルド・ダール 「魔女がいっぱい」 清水達也/鶴見敏訳 1987年 評論社



アン・ハサウェイが主役で映画化すると知って、子供の頃に読んだのにあまり覚えていないことに気付き借りてきた。
悪い魔女を子供がやっつける、という超ーーー大雑把なあらすじしか覚えていなかったということの驚き。
読んでみて、同じ女性としてはちょっと嫌だな、という話で、それもあってあまり覚えてないのかなーと思ったり。

 魔女は、いつだって女だよ。
 ぼくは、女のひとのことを悪くなんていいたくないさ。たいていの女のひとは、すてきだからね。でも魔女がみんな女だということは、たしかなんだからしかたがない。男の魔女なんていやしない。
 でも、墓地で死人の肉をあさる鬼は、いつも男だけどね。それに、死神の使いの大犬の化物も男だ。そいつらもこわいけど、ほんものの魔女にくらべたらたいしたことはない。(p12-13)

とか、女性権利を主張が激しい現代においては、なかなか書けない表現だな…と言いつつ映画化したんだもんな。映画の方は、指を三本に変更して別に批評が出ているみたいだけど。

なにはともあれ、ネタバレありのあらすじ;

Category : 児童書
Posted by nizaco on  | 0 comments  0 trackback
該当の記事は見つかりませんでした。