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がらくたにっき |

宮部みゆき『ソロモンの偽証 第II部 決意(下)』

ああああー---面白いー-----------!!!!
読み終わった後に心の中で叫んだ。

物語が山場を迎え(多分)、不明だったところがだんだん分かってきて、逆に謎が深まったり。

第I部で丹念に心理描写された登場人物たちは、描写の度合は下がりつつも行動の記述が多くなる。
ここでポイントとなるのが、弁護人で外部生である神原和彦。
第I部で丹念に描かれていた人物とは異なり、主要人物のはずなのに彼が考えていることはさっぱり分からない。
そもそもなぜこれに関わったのかも分からない状態。
この”いまいちよく分からない”人物が主要人物に混ざることで、この群集劇に厚味が出る気がする。

因みに顔がよくて、複雑な過去を持つ、というのも、物語としてはありきたりっぽい気がしないでもないけれども、
でもやっぱり、魅力的に感じてしまうのはもうしょうがないことだと思う。

以下、簡単なあらすじ。

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『絵本作家のアトリエ』

図書館でたまたま見かけた本。
今でも大好きな作家さんの名前が連なっていて思わず借りて帰ってきた。

世代が世代だからか、戦争を経験し、戦後復興の中で頭角を現していった方が多かった。
特に戦後に絵本のブームが来て、その時に優れた作家が数多く生まれたようだった。

名前としては知らないけれども、作品を見た途端に「あー!この人!」と、その他の絵の記憶が出てくるというのが
各作家さんが持つ個性の魅力によるものなのかなと思った。

個人的に、安野光雅さんが自分の仕事場を見せるのが嫌、でも人の仕事場を見るのは好き(笑)、
嫌いな理由に、仕事場に並んでいる本を見られるのがなんだか恥ずかしい、というのに共感しかなかった。
安野光雅さんが好きなので、一緒なのが嬉しいというか。

中川宗弥さんの絵本は知らず、最初の方は全然ぴんと来なかったけれども
『ももいろきりん』であー-------!!!!となった。
小さい頃大好きな本で、色といい、絵の描き方といい、他の絵本とは違うという感覚を鮮明に覚えていて
抽象画家と読んで、あの時の「他の絵本と違う」感覚はこれなのかなーと何年も経って答え合わせ的に感じた。

あと大好きといえば、薮内正幸さん。
挿絵を描かれた『冒険者たち』をはじめとした、ガンバと仲間たちシリーズが、めちゃくちゃ好きで好きで仕方なかったので
またもや名前を知らなかったけれども、この方だったのねー--となった。
あの本は、このリアルな絵だったからこそ生きた本だと思う!
動物の冒険譚というと可愛く描きがちだけど、それをあえてリアルにしたところに骨太な物語の印象を強めたというというか。
「ネズミが立ち上がったとき、動物学者が見てもおかしくないように描くんだ」と、ネズミの大きさとバランスがとれるよう、ミニチュアのウィスキーの瓶やおもちゃのサイコロを手に入れ、スケッチを重ねていたという。(p79-81)
他の作家さんにも通じるけれども、たくさんの工夫・努力をして、子供だった頃の私にワクワクをくれてありがとうという気持ちになった。


以下、本書に掲載された絵本作家さんたち;
  • 長新太
  • 堀内誠一
  • 中谷千代子
  • 中川宗弥
  • マーシャ・ブラウン
  • 薮内正幸
  • なかのひろたか
  • 梶山俊夫
  • 得田之久
  • 秋野亥左牟
  • 安野光雅
  • せなけいこ


『絵本作家のアトリエ2』2013年、福音館書店

Category : その他
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宮部みゆき『ソロモンの偽証 第II部 決意(上)』

面白さが続くと、期待値がどんどん上がって、それが裏切られないかちょっと心配になるくらい面白かった。

第II部となったのもあり、物語に動きが見えてくるこの巻。
また新しい登場人物がたくさん出てくるが、やっぱり混乱はしない。すごい人物描写。

I部よりも各人物の心理描写が減るけれども、その分、物語にスピードが出てきた感じがする。

ま、少し難を言うと、登場人物たちがしっかりしていて中学生ということを忘れがちなこと。
ちょっと高校生みたい。
もしくは私の中学生時代が幼かったのか…

何はともあれ簡単なあらすじは次の通り。

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末永幸歩『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』

著者 : 末永幸歩
ダイヤモンド社
発売日 : 2020-02-20

アート思考』、『「問い」から始めるアート思考』とアート思考に関する書籍を読んできたが、その中で一番分かりやすかったかも。
”13歳から”と銘打ってるからというのもあるけれども、そもそもなぜアート思考と言われた時に、20世紀以降のアートを取り扱うのかなど、前提がはっきり書かれていたのがその後の理解に繋がると思った。

”13歳”としているのは、学校の教科における”美術”に対して、子供たちの苦手意識が一気にあがるのが13歳だからだそうだ。
自分は美術が好きだったし、周りも似た子たちしかいなかったので、その感覚がよく分からないが、確かに高校になると美術か書道の選択式になるので、13歳以降、美術に対する関心が薄まっていくのかなとも思った。

そうした子供たちを対象にしているのと、作者自身が先生ということもあってか、この本では授業の形を取っていて、自分で考えたり、手を動かしたりしながら読み進めていけるのも特徴的だった。
更に各章の最後には、実際にこのワークショップを受けた子たちのフィードバックも載っていて、そこからも本書を読む前と後の意識の違いを再確認できたと思う。

以下、本書の内容をまとめてみる;

Category : その他:美術
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