『とりかえばや物語」を読みたくて手に取った本書。ということで『とりかえばや物語』しか読んでません。
男と女が入れ替わって生活するという、平安時代からこんな面白いプロットがあるんだなと知って、興味を持って読んでみたのだけれども、想像していたよりもはるかに深い話だった!
人物造形があまり練られていないという評もあるみたいだけれども、ジェンダーについてこうも考えられる物語があったということに本当に驚いた。
そしてそれが平安時代に書かれていたとは!
もちろん、平安時代と現代では感覚が異なるだろうから、現代のコンテキストで読んではいけないとは思うけれども、それでも作者の意図みたいなものが見え隠れする気がする。
『ざ・ちぇんじ!』が『とりかえばや物語』を下敷きにしていると知って、漫画版をちょっと読んでみたけれども、あまりに軽くて(少女漫画だから、それはそれで成立するんだろうけど)、私が感じた『とりかえばや物語』のイメージと違っていて、最初の方で読むの止めてしまった。
以下、簡単なあらすじ;
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基本的にエンタメ系の本ばかり読んで、文学作品ってあまり読んだことないよな~ということから、三島由紀夫を読んでみようと思い立った。
なんとなく三島由紀夫って、背が低いのがコンプレックスでボディビルディングにはまったというエピソードが、うげ…となってしまって(三島由紀夫ファン、申し訳ない)手を出していなかったけれど、食わず嫌いはいけないよな…という思いから。
とりあえずとても有名な『金閣寺』を読んでみた。
文章はさすがと言ったら上から目線になるけど素晴らしい。
が…気持ち悪さがどことなく漂うよ!!!
すごく歪んでいながらプライド高そうな感じとか、屈折具合が厨ニ病っぽいというか…
話も、エンディングがちょっと気に入らなかった。
勝手に、芥川龍之介の『地獄変』みたいなのをイメージしていたから、見届けないんかい!ってなったし。そこにポイントがあるんだろうけど。
と、三島由紀夫ファン、果ては文学作品ファンに罵声を浴びせられそうな感想になったけれども、
健全な心を持った凡人には、理解し難い本でした…
以下、簡単なあらすじと、素敵だなと思った文章;
うーーーーーーん…正直、登場人物の誰にも共感できないかなという感じ。
既刊本はこれで終わりで、確実に次があるけれども、読むかと言われるととても微妙。。。
前回に続き、各3人の登場人物の目線で描かれているのだけれども、どの人にも共感できないという、ある意味とても珍しい感じ。
一番意味不明だったのはイナン。
考えていること・言ってることとやってることが全然違って、イナンの目線で書かれている箇所を読んでもさっぱり意味が解らなかった。
魔法を持つ者と持たざる者の対立、というプロット自体は面白い気はするけれども、いかんせん登場人物たちの描写が浅すぎる。
迫害された人たちの悲しみを書きたいのかもしれないけれども、”両親や仲間たちが殺されて悲しい”というありきたりな表面的な感情しか表されていなくて、そこから成されるはずの人格形成ができていない気がした。
批判を恐れずに言うと、ナイジェリアの伝説をもとにしたファンタジーと、今まであまりない題材で、しかもブラックライブスマターをはじめとした人種差別への是正意識が沸き上がっている今だからこそ受けた本であって、そういった背景を見ずに、純粋に物語として見たら、そんな面白い本か?という気持ちになっちゃう。
と辛口に感想を述べてしまいましたが、一応、簡単なあらすじを・・・