やっぱりイカサマがかっこいい!
斎藤惇夫 「冒険者たち―ガンバと15ひきの仲間」 1990年 岩波書店
「グリッグの冒険」読了からしばらく経ってしまったが、2巻目「冒険者たち」。
はぁ~ やっぱり面白いな。
子どもの頃に、こんなクオリティーの高い本に出会えて嬉しい。
タイトルからしてワクワクするが、内容も「グリッグの冒険」をはるかに超えて面白い。
「グリッグの冒険」から時間が遡って、ガンバがまだ冒険を知らずに貯蔵穴にのんびり暮していた頃の話。
マンプクに誘われて船乗りネズミの会合に行くことになる。
初めは気が引けていたが打ち解けて飲み比べをしたり、踊ったり楽しくなっていたところへ、瀕死の状態の忠太というネズミが現れている。
忠太とその家族が住んでいる島に、イタチのノロイとその仲間がやってきて、次々のネズミが殺されているらしい。助けを求めにやってきたというわけだ。
その話を聞いてすっかり同情したガンバは「助けに行こう!」と呼びかける。
が、ノロイの怖さを知っている船乗りネズミのヨイショやガクシャは全然乗ってくれない。
結局、海になんか出る気がさらさらなかったガンバが、たった一匹で忠太と島に行くことになったのだ。
が…船に乗ってみると次々に現れる仲間たち。
ヨイショ、ガクシャ、イダテン、イカサマ、ボーボ、バレット、バス、テノール、ジャンプ、アナホリ、マンプク、カリック、オイボレ。
忠太の家族と出会い、皆でノロイ達に立ち向かうのだった。
途中で、やはりノロイに怨みのあるオオミズナギドリと友達になったり、忠太の家族とは別のネズミ達の阻止にあったりなどなどするのだが、最終的には勝利で終わる。
ただ犠牲者は出て、ボーボ、オイボレ(本当は島を出て行ったネズミだった)、忠太の姉の潮路が死んでしまう。
そうして、ガンバたちはまた旅に出るのだった…
という終わり方がまたいい。
所詮ネズミだけれども、ガンバたちがかっこよく見えてくるのだからすごい。
次で終わりと思うと残念でならない。
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