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がらくたにっき |

劉慈欣『三体』








正直なところ…あまり面白さが理解できませんでした。。。
読み始めてから「あ、そういえばそんなSF好きじゃなかったんだったわ」と思った(こら)。
それでも読み進めていけば面白いと思えるかも!と希望を抱きつつ読んだけれども、最後まで「ふーん…」で終わった。





三部作の一冊目なのでこれで評価してはいけないのかもしれないけれども、続きを読むかと聞かれると疑わしい…





まずばりばり文系で、理系の話をされると頭が痛くなっちゃう私には、説明が難解で眠くなる。
そこらへんをざっと流して読もうとすると、あまりにストーリーがあっさり過ぎて、何が面白いんだかよく分からなくなる。
といったどうしようもないルートをたどる羽目に陥ってた。





とりあえず本書のあらすじを書くけれども、何せあまり理解した気がしていないので間違っている可能性もあり。。。














1967年、文化大革命の時代から始まる。
葉文潔は物理学者の父が惨殺されるのを目撃する。





その後、同じくエリート科学者だった文潔は、内モンゴルの生産建設兵団に属していた。
そこで『沈黙の春』を読み、深く感銘を受けるのだが、裏切りによって投獄されてしまう。
そして輸送されたのが、極秘の軍事基地、紅岸基地だった。





そこには、かつての父の教え子、楊衛寧がいた。楊は紅岸基地の最高技術責任者であり、楊と一緒にいた雷志成は政治委員だった。彼らは文潔の能力を見込んでスカウトしてきたのだった。
あまりに極秘のため、いったん知ってしまうとそこから出ることはできなくなるのだが、他に望みのない文潔は即承諾する。





その40数年後に話が飛ぶ。
ナノマテリアルという素材の開発者である汪淼が主人公となる。





ある時、警官の史強になかば強制的にある会合に連れてこられる。
そこは軍によって開催されている会合で、中国人だけではなくNATO軍の将校など、外国の軍人もいる。
汪淼が呼ばれたのは<科学フロンティア>という団体から接触を受けているからであった。
というのが、<科学フロンティア>になんらか関係のあった物理学者が次々と自殺していたのだ。その中には楊冬という女性の学者もいた。





休日になり、汪淼は趣味である写真を撮りに行く。
写真を現像すると、写真にカウントダウンの数字が入っていた。もちろん、撮影している時には表れていない。そして同じカメラを使っても、別の人が撮るとカウントダウンはない。逆に違うカメラを使っても汪淼が撮るとカウントダウンの数字が入る。





不可解なことが起きて恐怖に陥った汪淼は、<科学フロンティア>の中で知り合いの申玉菲に連絡し会いに行く。





夫の魏成に教わって、彼女の部屋に入ると、玉菲はVスーツを着てゲームをしているところだった。
ゲームを終え、玉菲はナノマテリアルの研究をただちに辞めるように言う。
自分の一存では辞められないと拒否するものの、カウントダウンが続くので意を決して辞める。





そして汪淼は、玉菲がやっていたゲームを始めてみるのだった。
それは「三体」と呼ばれるゲームで非常に奇妙なものだった。
その世界には、厳しい環境となる乱紀と、文明が発達する恒紀がある。
乱紀はあまりに厳しく、人は脱水して乗り切るしかない。
この乱紀と恒紀の周期ははかれず、どうやらそれを予測するのがゲームの目的のようである。
予測が失敗し、何回か文明が滅びるというゲームオーバーを体験する。





現実世界では、楊冬の恋人丁儀の勧めで、楊冬の母親に会いに行く。
その母親こそが葉文潔だった。つまり楊冬は葉文潔と楊衛寧の娘だったのだ。
汪淼は葉文潔から紅岸基地の極秘任務を知らされる。それは地球外生命体との交信だったのだ。





その間も「三体」のゲームは進み、汪淼がレベル2にあがった頃にオフ会に呼ばれる。
そこでふるいをかけられた汪淼は、ゲームクリア後、無事に地球三体協会の集会に参加が認められる。





集会で明かされたのが総帥は葉文潔であった。
そして玉菲は地球三体協会の内部抗争によって殺されたことも分かる(何者かに殺されたのはそれ以前に分かっている)。





文潔は汪淼の姿を見つけると、紅岸基地について更に話を進める。
紅岸基地で楊衛寧と結婚した文潔は、ある時、偶然地球外生命体からの交信を受信したことに気付く。
今まで自分の身に起きてきたことで世の中に絶望していた文潔は、地球外生命体の介入によって人類の持つ問題を解決するしかないと思い、交信に返信する。





ゲーム「三体」は、交信したその地球外生命体の世界を表したもので、姿は異なれど、脱水などは同じらしい。このゲームを通して、地球三体協会のメンバーを選定していたのだ。
因みに、汪淼にカウントダウンを見せてナノマテリアルの研究を中止させていたのは三体人で、ナノマテリアルに脅威を抱いていたからであった。





そこまで話した時、史強をはじめとした兵が突入してきて、葉文潔をはじめとした地球三体協会を逮捕する。





その後は葉文潔の尋問をベースに話が進む。
曰く。
雷志成は、葉文潔が地球外生命体からの受信の痕跡をなくし、報告もしていなかったことを知っていた。そのため文潔は、楊衛寧と一緒に事故死に見せかけて殺してしまう。
既に身ごもっていた楊冬を出産し、しばらくしてから父と共に文潔自身の名誉も回復したという通知を受け、大学に復帰する。





そこで任されたプロジェクトで、植林を続けるマイク・エヴァンズに出会う。彼は、中国政府が伐採を続けるためにツバメが絶滅しそうになっているとして、一人で植林を行っていたのだ。
しかし、その後、それも失敗に終わりそうになった時、文潔はエヴァンズに地球外生命体との交信について伝え、丁度父親から莫大なる遺産を受け継いだエヴァンズは、それを使って検証することにする。
こうして地球三体協会が発足したのだった。





しかし、その中でも考えが分裂していき、エヴァンズは地球外生命体に地球を征服してもらうしかない、という思想だった。





そのたくらみを阻止すべく、汪淼たちはエヴァンズたちが乗った船を、ナノマテリアルで切断することになる。
こうしてエヴァンズたちの持っていた情報を入手できたのだが、それによると三体人は、既に地球を占領しようと進んでおり、400年後には地球に到達するらしい。





更に、地球人の進歩のスピードに危機感を感じた三体人は、最新の技術を使って、既に地球を監視下に置いていたことが分かる。





最後、三体から『おまえたちは虫けらだ』というメッセージが入る。
敗北感に浸る汪淼たちに、史強がイナゴの大群を見せて言う。





「見てみろよ。これが虫けらだ。こいつらとおれたちの技術力の差は、おれたちと三体文明の技術力の差よりずっと大きいよな。そして、おれたち地球人は、この虫けらをなんとか滅ぼそうと、全力を傾けてきた。殺虫剤をヘリから散布したり、天敵を育ててけしかけたり、卵を探し出して処分したり、遺伝子操作で繁殖を防いだり、火で焼きつくしたり、水で溺れさせたり。どの家庭にも殺虫剤のスプレー缶があるし、どのデスクの下にも蠅たたきがある。この果てしない戦争は、人類文明の開闢以来ずっとつづいてきた。しかし、まだ結果は出ていない。虫けらどもはまだ絶滅していないどころか、我が物顔でのさばっている。人類が出現する前と比べても、虫の数はまるで減ってない。
 地球人を虫けら扱いする三体人は、どうやら、ひとつの事実を忘れちまっているらしい。すなわち、虫けらはいままで一度も敗北したことがないって事実をな」

p430




かっこいいような感じで終わるけど、正直「イ、イナゴか…」と思ってしまった。Gを出されるよりいいけど。





因みに三体の世界は、なんとなくダリの絵みたいな世界を想像していた。
ちょっと暗くて奇妙な世界というか。
それがゲームの世界ではなくて、実際のどこかの星と言われると頭が追いつかなかった…





とりあえず、乗りかかった船ということで最後まで読むか、今時点で面白くないと思うなら諦めて別に時間を使うべきか、ちょっと悩むところ…










劉慈欣『三体』立原透耶監修、大森望・光吉さくら・ワンチャイ訳、2019年、早川書房


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Category : 小説:SF
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