トレント・スチュワート『秘密結社ベネディクト団(上)』
メモを見ると、「シャーロットのおくりもの」や「スチュアート・リトル」を書いた人、と書いてあった。
「シャーロットのおくりもの」は子供の頃に大すきだったアニメで、「スチュアート・リトル」も映画観たな…と思ってメモっておいたのかなと推測。
本書の感想はというと、今のところはまあまあかな…
まだすごく面白いというわけではない。
簡単なあらすじは以下の通り。
主人公は孤児院に住むレイニー。
周りの子たちに比べてずばぬけて賢いために、逆に周りになじめずにいる。
孤児院がミス・ペルーマルという家庭教師をつけてくれて、彼女が大すきなレイリーはなんとかもっている、という感じ。
そんなある日、新聞で「特別なチャンスをきみに!求む、才能ある少年少女」という広告を見つける。
ミス・ペルーマルの勧めもあり、レイリーは応募してみることにする。
何か分からないけれども、”特別なチャンス”に惹かれたのだ。
それには試験もあったので試験を受ける。
実際のテストとは別のところでテストがあり(鉛筆を1本しか持ってきてはいけないのに、その1本を落としてしまった子がいたらどうするのか?というのと、その子がお礼にカンニングさせてあげると言ったらどうするのか?)、レイリーは合格する(その子に自分の鉛筆を折ってあげて、カンニングは絶対しなかった)。
同じ試験で合格したのはレイリー含めて4人だった。
まず1度見たらなんでも覚えるスティッキー。
いつも色んな道具が沢山入ったバケツを持っているケイト。
とっても背が小さく、とっても性格に難ありのコンスタンス。
4人の共通点は孤独だということだった。
スティッキーには両親がいたが、スティッキーが天才ということが分かってから、スティッキーを金づるとしか思わなくなってしまったのだ。
嫌気がさしたスティッキーは姿を隠すのだが、親は悲しむどころか、スティッキーの才能惜しがった人たちが見舞金を出してくれるので左うちわで喜んでいるのを見てしまう。そこから家出をして、ここに流れ着いたのだった。
さて、この奇妙な試験をしたのはミスター・ベネディクト。
彼は天才なのだが、突然寝てしまうという障がいを持つ。
彼はある時、テレビやラジオを通して、人々は知らないうちにメッセージを受け取っていることに気付く。
例えば、「行方不明者は行方不明ではなく、旅立っただけだ」というようなメッセージ。
そして実際に、ミスター・ベネディクトが懇意にしている政府関係者たちが失踪して、それを指摘しても、皆は「失踪したのではなく旅に出た」と言っているのだ。
このメッセージの《送信者》は誰なのか?そしてその意図は何なのか?それを調べようとしているのだが、政府関係者は誰も真剣に受け取ってくれないので、ミスター・ベネディクトは一人でやるしかない。
そして、このメッセージには子供たちがキーだということが分かり、才能あふれる子供たちを集めることにしたのだった。
今、ミスター・ベネディクトの助手のようなことをしているロンダとナンバー2も、かつてはそうして集まった子どもなのだが、志半ばで大人になってしまったので、また子どもを集めることになったのだった。
とても危険を伴う仕事になるので皆に意思を聞くが、4人はミスター・ベネディクトに協力することにする。
そんな4人に課せられたのはシマデナシ島にある<天才アカデミー>という学校へ忍びこむことだった。
どうやらそこが敵の本拠地のようなのだ。
4人はスパイのように学生としてもぐりこむ。
天才アカデミーは、天才と言われたミスター・カーテンが突然開いた学校である。とても奇妙な学校で、きちんとした授業はない。
読まされ、暗記させられるのは意味の分からない本ばかり。
しかしそれこそが、《送信者》が送っていたメッセージだったのだ。
生徒たちはミスター・カーテン働きが認められると<使徒>になり、更に昇格すると<幹部>になるらしい。
幹部は特権があるらしく(でもどんな特権か分からない)、生徒たちは幹部になることを夢見ている。
ミスター・カーテンを探るには幹部になるしかないと思った4人は、まずは使徒になるべく、テストで良い点を取るのを頑張る。
レイリーやスティッキーは満点を取り続けるが、ケイトとコンスタンスはからっきしだめ。
島の向こうではミスター・ベネディクトたちが待機していて、毎晩、モールス信号を使ってやりとりするのだが、「自分でない自分になれ」というメッセージを受け、レイリーたちは「カンニング」を決行する。
こうしてケイトとコンスタンスは徐々に成績を上げていったのだった。
ところが《送信者》は更に協力なメッセージを送っているらしく、免疫のない4人はそれに苦しまれる。
レイリーたちはただイラついたり怒りっぽくなったりするだけだが、コンスタンスはもっと敏感らしく、メッセージの内容まで聞こえてるらしい。
(ここで、すごいイラつくコンスタンスだが、いる理由が出てくる)
時間がない…と思っているとき、ひょんなきっかけでレイリーはミスター・カーテンの目に留まるのだった。
といったところで上巻は終わる。
ちょっとレイリーやスティッキー以外は突拍子もない子ばかりで、なかなか感情移入はできないが、先が気になるので下巻にさっそくとりかかろうと思う。
スポンサーサイト