土佐の絵師、絵金について調べることがあったので、ついでに小説を読んでみた。
絵金の絵はなかなかインパクトが強いのだが、それを込めたような小説で、特にお色気っぽい部分が存分に強調された小説だった。
内容としては、各章を絵金周辺の人が絵金を描写している形を取っているのが面白かった。
そして、各章にこの物語の根拠になった史実が註釈のようについているのが興味深った。
以下、各章の簡単なあらすじ。
図書館で地元の作家さんコーナーがあって、地元の大学出身ということで置いてあった本。
映画化されていたのもあってタイトルは聞いたことがあっても読んだことがなく、借りてみたら…
めっちゃ面白い!!!!!
そりゃ映画化されるわ!ってくらい面白かった。
グリコ・森永事件を下敷きに書かれているのだが、
元記者というだけあって、リアリティがはんばないし(実際の事件にできるだけ近づけたということらしい)、
だからといって固すぎずに読みやすい。そのバランスがすごい。
それだけではなく、加害者に加担させられた子どもたちに焦点をあてた、というのも新しい発想というだけではなく、
作者の信条というか、思うところをきちんと明示されている気がして、読み応えがあった。
以下、簡単なあらすじ。激しくネタバレなので注意!
河合隼雄の児童文学についての本を読むのにあたって、そこで紹介されている本を読もう企画(自分主催)。
第二弾は『まぼろしの小さい犬』。
これは小さい頃に読んだ記憶はばっちりあるけれども、あまり面白くなかったというネガティブな感想のみで、まったく内容を覚えておらず再読。
再読してみたけれども、やっぱりあまり面白いとは思えなかった……
同じ作者の『トムは真夜中の庭で』はとっても面白かった記憶あるんだけどな…
なんで面白く感じないのかと考えた時、主人公に共感ができないというのが大きいと思う。
そもそも犬を飼いたいと思ったことがないという点で共感ができないし、
想像上の犬を見るために目をつぶって生活するというのが、子どもの頃ですら共感できない、
割と現実主義なところが、この本がはまらない理由かも(現実主義だけどファンタジーとか大好きという矛盾)。
あと個人的に、個人の欲望のために色んな人を巻き込む、というのがいただけないというのもある。
主人公のベンは5人兄弟のまん真中で、我慢を強いられているところがあると言う風に描かれているけれど
最終的には大きな迷惑をかけているのが、自分の正義に合わないのかもしれない。
それだったらわがまま言えよ、自分の欲求を正直に言ってよ、みたいな。
と不満ぶーぶー垂れたけれども、少年の成長物語と考えると、うまく描かれていると思うし、傑作とするのは分かるといえば分かる。
ただ自分の好みではないだけというか。
ということで簡単にあらすじを。
1をとっくの昔に読んだものの、なんとなく手付かずのまま、すっかり1の内容を忘れ…
そしてこのブログにも残っていないので、思い起こすこともできず。
ということで再読した。
久しぶりのロシア文学のわちゃわちゃ感。
特に事件があるわけではなく、様々な変わった人たちが出てきて、わーわーなっている感。
あ~好きだな…と思いつつ、これをブログで簡単にあらすじ残すって難しいな、と8年前の自分の同情した。
が、未来の自分のために頑張って書く!
河合隼雄氏の児童書についての本を読もうと思った時に、しょっぱなが『飛ぶ教室』についてで、こんなにも有名な本を読んでいなかったことに気付き、さっそく読んでみた。
意外とケストナーの本って読んだことないんだよなぁ…『エーミールと探偵たち』も多分読んだことない…
ということで、おそらく初ケストナー作品。
正直なところ、前半部分は全然話に入り込むことができなくて、なんで傑作とされているのかが分からなかった。
まず、作者が登場してきて、夏なのに冬の作品を書かなくてはと追われているところから始まる。
え…物語が作られる舞台裏から話すの?と戸惑い、これからのお話はまったくの虚構の世界だよ、と言われている気がして入り込みづらく感じてしまった。
そして登場人物が突然たくさん出てきて、誰が誰だか分かりにくい!
マティアスとマルティンって名前似てない!?馴染んだ名前ではないので余計混乱…
登場人物一覧くれ~と思ってしまった。
と、最初の方はなかなかすいすい読むわけにいかなくて、私には合わんなと思っていたのが…
最後は「これは傑作だ!!!!」という感想になっていた。
割と号泣したし。
あー確かに傑作だったわ…
難を言ったら、最後にまた作者登場っていうのは、あまり好きな終わり方ではなかったけれども。一応、『飛ぶ教室』の世界と同じ世界線上にいるのが分かって良かったっちゃあ良かったけど。
以下、簡単なあらすじ